国民年金第一号被保険者の産前産後期間の保険料免除

今年も、桜が咲き、新たな学期が始まりました。皆さん、お元気でしょうか。障害年金サポート調布の福間です。

今回は、来年4月から始まる『国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料免除』についてまとめてみたいと思います。

平成28年12月14日「公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律」が成立しました(年金改革法)。
この改革法の措置の中に、『国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料免除』が盛り込まれています。
内容は次の通りです。
〇次世代育成支援のため、国民年金第1号被保険者の産前産後期間(出産予定日の前月から4か月間)の保険料を免除し、免除期間は満額の基礎年金を保障する。
 (対象者は年間約20万人程度の見込み)
〇この財源として、国民年金保険料を月額100円程度引き上げ、国民年金の被保険者全体で対応する。

現在、健康保険・厚生年金保険の保険料については、産前産後休業期間(産前42日(多児妊娠98日、産後56日のうち、妊娠又は出産を理由として労務に従事しなかった期間)について、事業主の申し出により、被保険者分及び事業主分が免除されています。
この厚生年金保険の免除制度を国民年金にも適用しようとする制度と言えると思います。

現在は、国民年金の保険料免除は、法定免除(障害基礎年金年金受給と生活保護)と申請免除の2種類があり、申請免除の保険料免除にあたって、第1号被保険者において世帯収入を勘案して免除が決定されています。しかし、今回の制度改正は、母体保護の観点から、就労状況の様々な第1号被保険者についても出産前6週間+出産後8週間は、稼得活動に従事できない期間と考え、前年度所得の多寡にかかわらず、保険料が免除されるようです。

また、給付について、現行の免除制度では、全額免除となった場合、国庫負担が2分の1なされているため、全額免除期間2ヵ月間で1ヵ月間納付したものとされています。しかし、この産前産後期間の保険料免除期間は基礎年金の満額を保障するとされています。その財源確保のため、国民年金保険料が100円程度値上げとなるようです。

免除される金額は、68,000円程度(17,000円×4ヶ月間)です。

労働基準法は第65条で、女性が請求した場合には産前6週間(多児妊娠14週間)、また基本的に産後8週間は就労させてはならないと規定しています。社会保険に加入しているか否かに拘わらず、基本的には収入はないわけです。
収入を確保できない女性労働者の母性保護上重要な産前産後の休業期間を少しでも安心して過ごすことができる制度となるよう願っています。

具体的な手続き等が発表されたら、また、記載したいと思います。

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