原因不明の障害年金

みなさまこんにちは。
障害年金サポート調布の倉本貴行です。

今回ご紹介する事例は「原因不明の障害」についてです。
障害は「眼」であり、作成を依頼した診断書には「原因不明の視力障害」と書かれていました。
私自身も診断書を見た瞬間は「原因不明で障害年金の請求はできるのか?」と思いました。
しかしながら眼の障害年金が支給されることとなっている障害状態の要件は「両眼の視力の和が○○以下のもの」「身体の機能の障害によって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」となっており、原因については特に触れられていません。
そこで障害年金の請求を行ったのですが、結果は「不支給決定」でした。
不支給となった理由を調べたら「視覚障害の根拠が不十分」となっていました。
要は「原因が分からないので審査の俎上に乗せることができない。」ということでした。

障害年金の請求が認められないときには「不服申立て」という制度が用意されており、その第一弾として社会保険審査官に対して「審査請求」を行いました。
審査請求の理由としては
1、原因不明は原因がないのではなく、治療対象としての原因が分からない状態であることから便宜「原因不明」としているに過ぎない。
2、客観的なデータが示しているように視力障害・視野障害が現存しており、それによって日常生活に著しい障害が起きているのであれば障害年金の支給対象範囲である。
3、原因不明という理由でもって障害年金の射程が及ばないと言えるのか。
等を書いて提出しました。

それから3か月後に「処分変更」が行われました。
処分変更というのは、審査請求に基いて社会保険審査官が判断するのではなく、審査請求を受けて社会保険審査官が今回の件の決定をした保険者(厚生労働省)に対して再検討を促し、それを保険者が再検討した結果、
最初に行った不支給という処分を、支給に変更することです。
処分変更の理由を調べたら「視覚障害の根拠が不十分として却下処分としたが、審査請求を受け、再検討した結果、医学的に原因不明であることはよくあることであり、現に障害が生じているものは認定可能と判断する。そうすると、視野は測定不能、視力は左右とも○○であることから○級に該当する。」となっていました。
請求したご本人はホッとされており、私も認められて嬉しかったのですが、複雑な心境でした。
最初に請求したときの認定内容はいったい何だったのか、という怒りやら情けなさやら、です。

今回は不服申立てをしたことによって認められたのですが、一般の方が果たして不服申し立てをするところまで考えられるかと思ってしまいます。
同じような案件がまだあるのではないかと思っております。
障害年金の請求をして、はっきりとした理由もわからずに不支給となり、諦めきれない方がいらっしゃれば、どうぞ我々専門家にご相談ください。
我々はプロです。様々なノウハウの蓄積があります。
3か月以内に審査請求をしなければならないという請求期限の制約はありますが、一緒に考えます。
お待ちしております。

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