脳卒中の障害年金について

障害年金サポート調布の深澤です。
来週には立秋を迎えるというのに、酷暑が続いています。
今年は、「暑中見舞い」の代わりに「猛暑見舞い」を使うようになったとか。
災害級といわれる暑さはまだまだ続きそうです。
どうぞ皆様ご自愛ください。

今回のコラムは、「脳卒中について」です。
私の近しい人が2人ほど脳梗塞になってしまったので、最近少しずつ勉強をはじめたところです。
さて、脳卒中とはどのような疾患をさすのでしょうか。
国立循環器病研究センター循環器病情報サービスHPによると、脳卒中とは、「脳の血管が破れるか詰まるかして、脳に血液が届かなくなり、脳の神経細胞が障害される病気です。」とあります。
脳卒中は、原因によって、
(1)脳梗塞(脳の血管が詰まる)
(2)脳出血(血管が破れる)
(3)くも膜下出血(動脈瘤が破れる)
(4)一過性脳虚血発作(TIA)(脳梗塞の症状が短時間で消失する)
の4つに分類されるとあります。
イメージとしては、寒い冬に発症する病気と思っていましたが、実際はどうなのでしょうか
。脳卒中発症については、その季節性に関する論文や雑誌記事によると、どうやら夏に発症が増加する脳梗塞があるようです。
私たち障害年金サポート(SSC)の相談会でも仲間の社労士のところにも、今夏は脳卒中の障害年金についての相談が寄せられています。

残念ながら脳卒中による後遺症が残ってしまった場合、一定の要件のもと、障害年金が支給される可能性があります。
脳卒中の障害年金の認定については、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」の「第9節/神経系統の障害 2認定要領」で、次のように記されています。
(4)神経系の障害により次のいずれかの状態を呈している場合は、原則として初診日から起算して1年6月を経過した日以前であっても障害認定日として取り扱う。
ア 脳血管障害により機能障害を残しているときは、初診日から6月経過した日以後に、医学的観点から、それ以上の機能回復がほとんど望めないと認められるとき。
イ 現在の医学では、根本的治療方法がない疾病であり、今後の回復は期待できず、初診日から6月経過した日以後において気管切開下での人工呼吸器(レスピレーター)使用、胃ろう等の恒久的な措置が行われており、日常の用を弁ずることができない状態であると認められるとき。

ここから分かることは、障害年金の請求は、原則として初診日から1年6か月経過してから行うものですが、脳卒中で機能障害が残ってしまった場合は、初診日から6か月経過した日以後であれば、1年6か月を待たなくても請求することができる可能性がある、ということです。
また、脳卒中の後遺症として、手足の麻痺・運動障害、眼の障害、高次脳機能障害など、複数の障害が残ることがあります。
その場合には、障害年金の請求時において、肢体、眼、精神など複数の診断書を提出することになるかもしれません。
障害年金の請求は複雑ですね。

私たち障害年金サポート調布の相談会は毎月開催しています。
どうぞご活用ください。

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