事後重症請求後の障害認定日請求

こんにちは、『障害年金サポート調布』の岡部健史です。
本日は、事後重症請求で障害年金を受給している方の障害認定日請求についてお話し致します。

障害認定日請求と事後重症請求のどちらも障害年金の請求方法を指す言葉です。まず、障害認定日請求と事後重症請求について簡単にご説明します。

【障害認定日請求】
障害認定日請求とは、障害年金の制度を知らなかった等の理由で請求が遅れてしまった場合であっても、障害認定日にさかのぼって障害年金受給の権利を発生させることができる請求方法です。したがって、障害認定日の時点の状態を診断書に記載して提出することになり、診断書やその他の書類の診査により年金の等級に該当していれば、さかのぼって年金がもらえることになります。ただし、さかのぼって支給される年金は、最大で時効にかからない5年分です。

【事後重症請求】
事後重症請求とは、障害認定日時点の状態は年金の等級に該当するほど重くなかった等の理由で年金をもらえる状態でなかった方が、65歳の誕生日の前日までに年金の等級に該当する程度に障害の状態が重くなった場合に、障害年金を請求した日に権利を発生させることができる請求方法です。字のごとく障害認定日の後で重症化した場合等に行うことになります。したがって、事後重症請求では請求した月の翌月分から年金が支給されることとなり、障害認定日請求のようにさかのぼって支給されることはありません。

障害認定日請求と事後重症請求の両者を比較すると、障害認定日請求の方がさかのぼって年金が支給される分事後重症請求よりも金額的に有利になりますので、まずは障害認定日請求をご検討いただき、障害認定日請求を断念せざるを得ない場合に事後重症請求を行うことを原則として実務上進めることになります。
ここでひとつ問題を挙げます。当初障害認定日の時点の症状は軽いと思っており、事後重症請求を行った場合であって、障害年金が認められて受給している方が、その後医師と話し障害認定日時点も障害等級に該当する程度の障害の状態であったのではないかと思いなおして障害認定日請求を行うことは可能でしょうか。

結論を申し上げますと、一度事後重症で請求して障害年金を受給している方も、その後障害認定日請求を行うことは可能です。この場合は、新たに年金請求書を作成し、請求事由の欄の「1 障害認定日による請求」に〇をつけて、障害認定日の診断書(直近の診断書は不要)、事後重症での請求時から当該請求時までの病歴(病歴・就労状況等申立書)、取下書、以前の請求の際に事後重症請求とした理由を説明する文書等を添付して請求を行うことになります。
取下書とは、障害認定日請求が認められた場合に事後重症請求を取り下げる書類であり、障害認定日請求が認められなければ取下げになりませんので、この書類を提出することによる不利益はありません。
事後重症請求とした理由を説明する文書とは、例えば次のように記載します。「事後重症請求時には、障害認定日時点の障害の状態について十分に確認するに至らず障害認定日頃の状態が軽かったとしたが、当時の主治医に、障害認定日時点の状態を確認したところ、障害年金の障害等級に該当する可能性があることが確認できたため、今般障害認定日での請求を行うことに至った。」

上記のような方法で事後重症請求後でも障害認定日請求を行うことは可能です。
障害認定日時点で障害等級に該当しないと思い込んで事後重症請求をしてしまった方などは、再度ご検討いただける場合がございます。もしそのような方がいらっしゃいましたら、是非われわれ専門家にご相談ください。

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