44年要件

こんにちは、障害年金サポート調布の竹内です。

年金の受給に際して、被保険者としての年金制度への加入期間の長さが一定以上あることが求められる場面があります。
たとえば、老齢基礎年金や老齢厚生年金を受給するには、保険料を納めてきた期間(保険料を免除されていた期間を含む。)が10年(120月)ないといけません。
これを10年要件といいます。
遺族厚生年金には、亡くなった方の条件として、25年要件というものも出てきます。
ほかにも、特別支給の老齢厚生年金は、厚生年金保険の被保険者期間が1年以上なければならないとされていたり、扶養手当の一種である加給年金額が加算される条件としては、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上なければならないとされていたりします。

期間の要件として、1番長いのが、「44年要件」です。
これが登場するのは老齢厚生年金で、「長期加入者の特例」と呼ばれる制度についてです。

本来の老齢厚生年金の支給開始年齢は65歳ですが、以前は60歳からであったこともあり、経過措置によって現在も一部の方については、65歳よりも前から支給される場合があります。
ただ、以前60歳から支給の場合には、いわゆる1階部分と2階部分の合計で満額が支給されていましたが、1階部分は国民年金、2階部分が厚生年金と分かれてしまったことにより、65歳より前から老齢厚生年金の支給を受けられるといっても、大部分の方は2階部分しか受けることはできません。
1階部分は、65歳になって老齢基礎年金の支給が開始されるのを待つのが原則です。
ところが、厚生年金保険の被保険者期間が44年という長期の加入者については、65歳前でも、1階部分(これを定額部分といいます)も支給しましょう、という制度があり、これが長期加入者の特例です。
さらに、1階部分(定額部分)が支給されることによって、扶養の条件を満たせば、加給年金額も加算されることになります。
定額部分だけでも年額780,000円程度ですので、額としても大きいですね。

60歳で定年になって、その後継続雇用で働き続ける方も多くなりましたが、引退を考える方もいるかと思います。
その際には、一度「44年」を考えてみてもよいかもしれません。
10代から、例えば高校卒業後から厚生年金適用事業所でずっと働いてきた方は、62~63歳で44年(528月)に達する場合がありますので、ぜひ年金の記録を確認してみてください。

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