初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱い
こんにちは。障害年金サポート調布の岡部健史です。
本日は、「初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱い」のひとつについてご説明させていただきます。
障害年金の請求において、初診日が非常に重要な意味を持つということは、このコラムでもお何度もお話ししております。初診日が特定できないことを理由に障害年金が不支給となることもあります。
実際問題として、カルテ廃棄や廃院などで初診日が特定できない方は一定程度いらっしゃいます。このような方を救済するために次の取扱いがあります。
【初診日が一定の期間内にあると確認された場合の初診日確認の取扱いについて】
これは、初診日を具体的に特定できなくても、一定の条件の下、請求者が申し立てた初診日を認めることができることとするという取扱いでであり、具体的には以下のとおりです。
1.同一の公的年金制度に継続して加入していた一定の期間内に初診日があると確認された場合は、その一定の期間内で請求者の申立てた初診日が認められることがある。ただし、この取扱いが認められるためには、次の条件を満たさなければなりません。
①初診日があると確認された一定の期間のいつの時点においても保険料納付要件を満たしていること
②資料などによって一定の期間の始期と終期を特定しなければならないこと
※一定の期間の始期を特定する資料とは、健康診断や人間ドックの結果(異常所見がなく発病していないことが確認できるものなど)、交通事故が原因の場合は交通事故が原因であることを明らかにする医学的資料と交通事故の時期を証明する書類などです。
一定の期間の終期を特定する資料としては、2番目以降に受診した医療機関の受診状況等証明書、障害者手帳の交付時期に関する資料などです。
2.初診日があると確認された一定の期間内に異なる公的年金制度(国民年金と厚生年金)に継続して加入していた場合は、国民年金加入中の初診日を申立てるもの(障害基礎年金の請求であるということ)であれば認められることがあり、厚生年金加入中の初診日を申立てるもの(障害厚生年金の請求となるということ)であれば、その他の資料で厚生年金加入中の初診日が確からしいことが証明できる必要がある。ただし、いずれの時点においても保険料納付要件を満たしていることと、一定の期間を特定しなければならない点は1と同様です。
したがいまして、一定の期間が特定できれば、初診日が特定できなくても受給権が認められうことがありますので、あきらめずに市役所や年金事務所、専門家にご相談ください。
2019年3月27日