障害年金でのポストポリオ症候群の取り扱い
こんにちは、障害年金サポート調布の服部純奈です。
4年に一度の冬季オリンピックがたくさんの感動を残し、閉会いたしました。
私は長野県の出身ですが、1998年の長野オリンピックの空気が忘れられず、今でもオリンピックのたびにワクワクしてしまいます。
続いて、パラリンピックですね。
また、たくさんのドラマが楽しみです!
さて、本日はポストポリオの認定について解説いたします。
ポストポリオ症候群の話の前にまず、ポリオについて簡単に説明いたします。
ポリオとは、急性脊髄灰白髄炎または脊髄性小児麻痺ともよばれ、ポリオウイルスによる感染症で、乳幼児に好発します。腸管に入ったウイルスが脊髄の一部に入り込み、主に手や足に麻痺があらわれ、その麻痺が後遺症として一生残ってしまうことがあります。
近年、日本ではポリオの予防接種が徹底しているため、新しく罹患する人はほとんどいないようです。
小児期にポリオを患いながらも一旦回復していたが、数十年後に新たに筋力低下など機能障害をもたらすことがあり、これをポストポリオ症候群(ポリオ後症候群)と呼ばれています。
実は以前、障害年金の認定においてポストポリオは、そもそもポリオを患っていなければ発症しないという理由で、小児期のポリオで医師の診断を受けた日を初診日としていました。その場合、障害基礎年金のみの支給になってしまったり、障害等級3級相当の場合には、障害基礎年金に3級がないことから、障害年金そのものの受給ができない、または初診日が古すぎてカルテが廃棄され、初診日が証明できずに涙を飲むケースがありました。
しかし、現在では初診日の取扱が変わり、ポストポリオ症候群として初めて医師の診断を受けた日を初診日とすることとなっています。
つまり、ポストポリオ症候群での初診日に厚生年金に加入していた方は障害厚生年金の可能性があり、また、初診日も割と新しいため証明しやすくなりました。
以下が、厚生労働省から発表されているポストポリオ症候群として取り扱われる要件です。
以下の① ~ ④ の全ての要件を満たした場合は、
・国民年金及び厚生年金保険の障害認定上ポストポリオとして取り扱われ、
・障害の程度の認定については、認定基準に基づいて行い、
・初診日はポストポリオについて初めて医師の診断を受けた日とする。
① 新たな筋力低下及び異常な筋の易疲労性があること
② ポリオの既往歴があり、少なくとも一肢にポリオによる弛緩性運動麻痺が残存していること
③ ポリオ回復後ポストポリオを発症するまでに、症状の安定していた期間
(おおむね10年以上)があること
④ ①の主たる原因が、他の疾患ではないこと
いかがでしたでしょうか。
小児期のポリオでの請求が通らずに、一度は障害年金をあきらめた方でも、新たに筋力低下が生じた場合等、ポストポリオ症候群で請求できる可能性がございます。
お困りの際は、ぜひ私どもにご相談ください。
2014年2月26日