障害者の就労と年金

こんにちは、障害年金サポート調布の深澤理香です。
東京の空には夏を思わせる雲が出てきました。個人的には、もう少し、さわやかな風にそよぐ新緑の季節を楽しみたいのですが・・・。

今回のテーマは、「障害者の就労と年金について」です。

働いていると年金はもらえない?
最近、「働いていると年金がもらえないのですか?」という質問をよく受けます。障害年金の認定は、原則として診断書及びⅩ線フィルム等添付資料により具体的かつ客観的な情報を収集した上で行うとされています。

*認定の方法
障害の程度の認定は、診断書及びX 線フィルム等添付資料により行う。
ただし、提出された診断書等のみでは認定が困難な場合又は傷病名と現症あるいは
日常生活状況等との間に医学的知識を超えた不一致の点があり整合性を欠く場合には、
再診断を求め又は療養の経過、日常生活状況等の調査、検診、その他所要の調査等を
実施するなどして、具体的かつ客観的な情報を収集した上で、認定を行う。
また、原則として、本人の申立等及び記憶に基づく受診証明のみでは判断せず、必
ず、その裏付けの資料を収集する。
(国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 平成26年4月1日改正より抜粋)

もし、「就労していると年金がもらえない、就労していないと年金がもらえる」という話が事実であると、「主婦や無職の人はもらえるが、障害を持ちながら働いている人はもらえない」ということになり、なんだか不条理に思えます。経済的な理由で無理をして働いている人もいるでしょうし、状態に関わらず働かない人もいるでしょう。

「就労していること=障害の程度が軽度」ではないはず
残念ながら、2級相当と思われる診断書を提出しても、不支給の決定通知書が届く場合もありますし、一旦、支給決定されても、その後の診断書提出により支給停止または等級変更となる場合もあります。もし、診断書の提出が複数回ある場合、内容が前回と同程度で支給停止となったならば、就労状況により判断された可能性も考えられます。例えば、障害厚生年金2級を受給していた人が、診断書の提出により3級になった場合、その決定に納得いかないのであれば、不服申立てを行うか、額改定の手続きを行うことにより、2級を求めることができます。
特に、知的障害者や発達障害者については、厚生労働省が次のような見解を示しています。

*厚生労働省年金局事業管理課発出(平成23年8月22日付)の連絡票
「知的障害者や発達障害者が仕事をするためには、多くのサポートが必要であり、働けることをもって直ちに日常生活能力が向上したものととらえることのないよう考え方を整理しました。すなわち、就労先が就労支援施設のほか、一般企業であっても仕事の内容やサポートの状況を確認し、明からに健常者と同様の仕事ができる程度に改善している場合を除き、就労したことや収入が上がったことにより、年金を支給停止することのないように明確化したものです。」

障害者は、庇護的な環境で雇用されているケースが多くありますので、就労をもってただちに支給停止とならないよう、認定医及び担当の方には適正な審査をお願いしたいと思います。

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