もっと多くの人に知ってほしい障害年金のこと
こんにちは。『障害年金サポート調布』の土屋寿美代です。
東京は比較的暖かいクリスマス・イブです。この時期になると、今年のうちに済ませておきたいことへの対応に追われ、新しい年を迎える準備も加わり、なんだか忙しい毎日ですね。今年も残り1週間。皆様、体調など崩されませんように年の瀬をお過ごしください。
さて、今回は実際に年金相談を受けていたときに立て続けにあった事例について書きたいと思います。実はこの3ヵ月の間に遭遇した、共に、配偶者が突然「難病指定の病気」を患ってしまったというケースです。
最初の事例では、相談者は外国人の奥様。難病を患っている配偶者は、まだ年金受給開始年齢には達していませんでした。年明けに受給権が発生する方です。ずっと仕事一筋でやってこられ、数年前からめまいや吐き気がひどくなり始めましたがなんとか勤務していました。しかし、うまく歩けない状態になってしまい、今年になってやむなく退職されたと伺いました。65歳まで働く予定だったのに、突然働けない身体になり収入も途絶えました。奥様によれば、難病指定でも東京都から出るお金はわずかであるとのこと。介護する必要上、自分も働きに出ることが難しいため、今後の生活を非常に心配されていました。頼りのご主人がご病気になられて一人で奮闘されていました。日本の制度もよく分からない上、さぞかし不安だったと心中お察しいたします。
さてその方は、厚生年金加入時の所得が高かったので、障害年金も2級であれば老齢年金のほうが課税を考慮しても多い見込みでした。しかし、進行性の難病ということだったので、将来的にもどうなるか心配です。よくなっていただくのが一番の思いですが、1級該当という状況も考えておく必要もあります。制度の説明を十分ご説明した上で、特別支給の老齢厚生年金の請求をする際に、障害年金請求と老齢厚生年金の障害者特例の請求を同時に行ってはどうかとお勧めしました。選択肢を多くしておくことで、対応の幅も広がります。少しでも奥様の不安の解消につながればという気持ちでいっぱいです。
もうひとつの事例は、今後のご自身の老齢年金のご相談にいらした男性なのですが、なにかのきっかけで奥様の話になりました。こちらの奥様も最近になって突然難病指定の診断がおり、現在闘病中とのことでした。この奥様は、既に特別支給の老齢厚生年金を受給されていましたが、初診日はお話を伺う限りでは推定59歳。まずは初診日を確定させ、障害年金請求と老齢厚生年金の障害者特例の請求を視野に入れてみてはいかがでしょうか?というお話をさせていただきました。3号期間であるため、障害基礎年金になりますが、ご自身の基礎年金が満額ではないため、障害基礎年金が認められれば年金額が少しでも増えます。今後、ますます介護する必要が出てくるため、ご主人も会社を退職することにしたと伺いました。障害年金も障害者特例の制度もご存知なかったようです。ふとしたきっかけで奥様のお話をしてくださったことで、このようなご案内をするに至りました。
このように障害年金については、必要とされている方々にまだまだ知られていない現状があります。少しでも多くの方にこの制度の存在を知っていただくための活動は、私たち社会保険労務士の使命だと思っております。私たち、障害年金サポート調布(SSC)の活動も先月で丸2年を迎えました。3年目も地域の皆様のお役に立てるようメンバー一同、出来る限りのお手伝いをさせていただきます。関係者向けのセミナーや勉強会の講師もいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
障害年金サポート調布では、毎月、障害年金個別相談会(無料)を実施しております。お気軽にご相談ください。
お問い合わせ 障害者地域活動支援センタードルチェ:tel 042-490-6675
2014年12月24日