『不服申立制度の変更』について

師走も半ばを迎え、何かとご多忙のことと思います。皆様お元気でしょうか。障害年金サポート調布の福間です。
今回は、『不服申立制度の変更』について書いてみたいと思います。行政不服審査法の改正については、今年の4月にも概要を書きました。その施行が先日、平成28年4月と決定しました。

まず、平成23年の統計数値で国に対する不服申し立ての件数をご紹介いたします。
国に対する審査請求総数17,358件のうち、社会保険関係(国民年金法、厚生年金保険法、健康保険法、船員保険法)9,306件(53.6%)、国税通則法4,246件(24.5%)、労働者災害保険法1,861件(10.7%)、その他1,945件(11.2%)。認容12.4%、棄却75.9%、却下11.3%、国に対する再審査請求総数2,927件のうち、社会保険関係2,084件(71.2%)、労働者災害保険法628件(21.5%)、生活保護法94件(3.2%)その他121件(4.1%)です。その内、認容5.4%、棄却82.4%、却下12.2%です。
やはり、社会保険関係(国民年金法、厚生年金保険法、健康保険法、船員保険法)の不服申立ての件数が断トツで1位となっています。

新法では、個別法に定めがある場合に限り、処分についての審査請求の裁決に不服がある者に再審査請求を認めることになったこと。不服申立件数が大量で直ちに出訴されると裁判所の負担が大きくなると考えられること。これらの理由により、審査請求・再審査請求の二段階の不服申立ての基本形と審査請求前置制度が残ることとなりました。
しかし、今までの二重前置は解消されて、審査請求を経た後、出訴することが可能となりました。

今回の改正により、期待できるのは『審査請求期間の延長』ではないでしょうか。処分があったことを知った日の翌日から3カ月以内(現在は60日以内)と延長されました。
障害年金の申請結果の通知が届き、審査請求を行おうとするとき、まず、保有個人情報の開示請求を行い、障害状態認定表等の資料の取り寄せを行います。この開示請求期間が一ヶ月間かかるため今回の改正は余裕が生まれることになりました。

また、標準審理期間の設定が新たに規定される見込みです。どの程度の期間がかかるのかの目安となり、安心できるのではないでしょうか。

今年も、後2週間程になりました。皆様には良い年が訪れますようお祈りいたします。

コラム

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