老齢基礎年金の繰上げと障害基礎年金請求の可否

こんにちは。障害年金サポート調布の岡部健史です。
桜も満開で見ごろを迎えていますね。個人的にはこの季節が最も好きです。
ですが、寒暖の差が激しい日もありますので、体調にはお気をつけください。

さて、本日は老齢基礎年金の繰上げ請求と障害基礎年金の関係について相談形式でお話したいと思います。

Q:私は61歳で老齢基礎年金を繰上げて受給しています。現在63歳ですが、数ヵ月前に脳梗塞になり左半身マヒになりました。今から障害基礎年金は受給できないのでしょうか?

A:老齢基礎年金の繰上げ請求を行った後に初診日があるケガや傷病などで障害の状態になった場合には、障害基礎年金は支給されません。原則として障害基礎年金は65歳以後に初診日があるケガや傷病などによって障害の状態になった場合には支給されないのですが、65歳前であっても老齢基礎年金の繰上げ請求を行った場合には、年金上の取り扱いで65歳に達したと見なされるため障害基礎年金は支給されないことになります。
ただし、繰上げ請求後の初診日時点で厚生年金に加入していた場合は、障害厚生年金が支給されることになります(保険料納付要件、障害の状態が等級に該当している場合)。

少し補足をしますと、すでに以前障害基礎年金を受給しており、症状が改善したため支給停止となった方で繰上げ請求後に再度障害基礎年金が受給できる程度の状態になった場合には、支給停止の解除の請求(支給停止事由消滅届)は可能です。
また、老齢基礎年金の繰上げ請求前に初診日があり、かつその初診日が60歳前である場合には、繰上げ請求後に障害認定日が到来しても障害認定日請求(障害認定日時点の症状で認定する請求方法)は可能です。しかし、事後重症請求(請求日現在の症状で認定する請求方法)は認められません。60歳以降に初診日がある場合は、初診日が老齢基礎年金の繰上げ請求前であっても、障害認定日請求および事後重症請求はできません。

このように老齢基礎年金の繰上げ請求を行っていても、障害認定日請求であれば可能な場合がありますが、非常に難しい点でもあり、行政の窓口でも、老齢基礎年金の繰上げをしているというのみで門前払いされることもあるので、ご心配があれば是非専門家にご相談ください。

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