診断書作成について思うこと

『障害年金サポート調布』の土屋寿美代です。
先週になりますが、2月6日(水)に調布市総合福祉センターにて「障害年金個別相談会」を開催しました。既にホームページ上でも開催報告を掲載しておりますが、事前予約枠も早々にいっぱいとなり、たくさんの方にお越しいただきましたこと、メンバー一同大変嬉しく思っております。改めて御礼申し上げます。
 
今回は個別相談会でも非常に心象に残った「診断書」について自分の思うところを書きたいと思います。「診断書」については、当コラムでも度々取り上げられていますが、障害年金においてはそれだけ重要な書類であるということです。「診断書」の種類については、1月30日のコラム「診断書作成時の注意点」に詳しく書かれていますので、そちらをご参考になさってください。

さて、私が障害年金のご相談を受ける際に、いつも念頭に置いていることがあります。
それは、障害年金の請求は「書類審査である」ということです。
例えば、審査面接などがあれば面接官が実際にその方の身体の状態を見ることも出来ますし、質問等の会話の中で日常生活における能力の程度などをある程度うかがい知ることが可能です。しかし、先にも申し上げたとおり、障害年金の審査は「書類審査のみ」なのです。そして、その中で一番重要視されるのが医師の書く「診断書」です。仮に重度の障害だったとしても、診断書の書き方ひとつで等級も変わってきますし、不支給通知が届く可能性だってあります。直接ご本人を目の前に審査をすることはないので、審査側からすれば当然の結果です。「書類上は日常生活に不都合はなさそうだけど、実際は大丈夫なのだろうか?」というような配慮は一切ありません。でもそれでは困るのが請求側ですから、それなりの対策をするべきでしょう。

この「診断書」ですが、医師は障害年金用の「診断書」の書き方を教わっている訳ではありません。そして、障害年金用の「診断書」は、医師が日頃書くような通常の「診断書」と決定的な違いがあります。それは「日常生活能力の判定」です。医師の立場からすると病状の診断を重視したくなるかもしれませんが、障害年金の審査側が見るのは、その障害によってどれだけ日常生活に制限があるのか日常動作に不自由があるのか、そしてどうして就労することが困難な状況なのか、です。特に精神疾患については、目に見えない病気なだけに、この部分(日常生活の状態)を医師に伝えることが非常に難しい作業だと思っています。実際に相談会などで、じっくりお話を伺うと、診断書が明らかに現状よりも軽い状態であるかのように書かれているケースも少なくありません。忙しい医師に診断書をもう一度書き直していただくのは大変です。請求に少しでも不安がある場合は、診断書作成の際に専門家に同行やサポートを依頼したりするなど、私たち社会保険労務士をどんどん活用していただきたいと思います。

本当に困っている一人でも多くの方に、障害年金を知り、受給していただけるよう「障害年金サポート調布」では調布市社会福祉協議会と提携して、様々な地域貢献活動を行っていきます。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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