社会保険審査会の審査状況について

みなさまこんにちは。
障害年金サポート調布の倉本貴行です。

障害年金の請求を行って、認められなかった場合には、「審査請求」という制度が用意されています。
一般的に行政処分に対して不服がある場合は、「行政不服審査」という制度が用意されているのですが、国民年金、厚生年金等の社会保険の場合は、制度が複雑かつ専門的であるとの理由から、特別に「審査請求制度」が設けられており、障害年金についても本制度によって不服申し立てに対する審査が行われます。
障害年金の不服申し立てについては、本年2月に平成30年度の社会保険審査会における採決状況をご案内しましたが、今回は令和元年度分をご案内いたします。

令和元年度に社会保険審査会が新規に受付けた(再)審査請求件数は1,712件です。
前年度からの繰越しが1,003件ありますので、合計で2,715件を受付けたことになります。
そのうち187件が取下げになっております。
取下げというのは、社会保険審査会に対して(再)審査請求をした人が自ら取下げをしたものが15件、社会保険審査会の審査に当たり保険者が再検討を行った結果、原処分の変更が行われ、採決にまで回らなかったものが172件含まれています。
採決については、容認即ち、請求人の主張を認めたものが90件、棄却即ち、請求人の主張を認めなかったものが1,051件、却下即ち、審査に入る前の要件を満たしておらず、いわば門前払いになったものが116件、合計で1,257件です。
取下げの187件を加えると1,444件が処理されたことになります。
ということは1年間に2,715件を受付けて処理をしたのが1,444件ですので、差し引き1,271件が次年度に回されたことになります。
採決された1,257件のうち、「障害」に関係するものの件数は928件あります。
パーセンテージにすれば約74%になります。
その他の老齢(約5%)や遺族(約3%)に比べると非常に高い割合になっていることが分かります。
老齢年金や遺族年金についても厚生労働大臣の裁定(決定)に対して納得がいかないケースがありますが、障害給付についてはその割合が格段に高いことが伺われます。
老齢年金や遺族年金は「年齢」や「死亡」といった事実関係の確認により年金給付が決定しますが、障害年金は「障害の状態」の見極め・判断が必要なので、その分争う余地が大きいと思われます。

私たちはひと月に1回、調布市の社会福祉協議会で、障害年金の無料相談会を行っています。
障害年金について不明な点、分からない点があれば、どうぞ相談会をご利用ください。
お待ちしております。

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