人工透析療法施行者の障害年金

障害年金サポート調布の深澤理香です。
立春を過ぎてから東京は大雪が2回も降りました。
みなさま、体調はいかがですか。周りでは、インフルエンザやウイルス性胃腸炎が流行っています。
私は、東京都出身ですが、主人の転勤で北海道に住んでいたことがあるので、雪が降っているという空気感が好きです。でも、交通機関の乱れや道路の混乱、自宅の前の雪かき等を考えると、東京の雪はあまり嬉しいものではないかもと思います。

今日は、人工透析療法を受けられている方について、お話しさせていただきます。

1、障害認定日
原則として、人工透析療法を施行中の方は障害年金2級と認定されます。
この場合、腎疾患による障害の診断書を主治医に記入していただいて、年金の請求を行います。一般的に、障害年金はその症状等が固定した状態で認定されるものなので、初めて医師の診療を受けたときから、 1年6ヵ月経過した「障害認定日」を待たないと年金の請求はできませんが、人工透析療法を行っている場合は、透析を初めて受けた日から起算して3カ月を経過した日が「障害認定日」となりますので、原則の1年6ヵ月経過日より早くに年金の請求が可能となるケースがあります。

人工透析療法施行中の方については、国の障害年金の認定基準によると、原則として次のように取り扱われます。

ア)人工透析療法施行中のものは2級と認定する。
なお、主要症状、人工透析療法施行中の検査成績、具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。

イ) 障害の程度を認定する時期は、人工透析療法を初めて受けた日から起算して3月を経過した日(初診日から起算して1年6月以内の日に限る。)とする。

2、障害年金を受給している方の診断書の提出について
障害年金を受給していると、定期的に診断書の提出を求められます。傷病名によって診断書提出の期間の間隔に差はありますが、定期的に状態を適正判断する必要があるからです。
しかしながら、人工透析療法を施行している方々は、人工透析を受けている以上病状に大きな変化がないにも関わらず2~3年毎に再認定のための診断書を提出するのは負担が大きい(診断書の作成には1万円前後の費用負担がある)ということで、平成23年よりその間隔が拡げられました。

《再認定サイクルの取扱い》
(1)人工透析施行者であって合併症がなく症状が安定している方については、有期年数を5年に延長。
(2)70歳以上で引き続き人工透析を行っている場合は、診断書の提出が不要。

3、腎移植を受けた後の障害年金
腎臓移植を受けた方に係る障害の認定は、「術後の症状、治療経過及び検査成績等を十分に考慮して総合的に認定する。」とされています。そして、 障害年金受給者が、臓器移植を受けた場合も、「臓器が生着し、安定的に機能するまでの間、少なくとも1年間は従前の等級とする。」となっており、人工透析療法が不要となった方の予後観察期間は2年とし、移植後少なくとも1年は従前等級(2級)となります。
その上で、再認定時に予後観察期間を経過している場合は、3級非該当とする程度の状態であるか否かを判断されることとなります。
人工透析療法を受けていた時は2級の障害年金を受給していたのに、移植をしたら以前より薬をたくさん飲んでいるのに障害年金がストップしたと相談を受けたことがあります。お話しを伺っていくと、その方の病状、生活状態等々、移植後はその質が格段に良くなったとのことでした。「移植=障害年金ストップ」と捉えず、その時の正しい診断書をもって再認定されるとご理解ください。

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