差し引き認定の仕組みの見直しについて

こんにちは。障害年金サポート調布の服部純奈です。

2016年もあとわずかになり、大忙しという方も多いのではないかと思います。今年も、様々なニュースがありましたが、今月8日の参院厚労委員会にて、障害年金に関する質問が出ておりましたのでご紹介したいと思います。

もともと障害がある部位と同じ部位に新たな障害が加わった場合に、現在の障害の程度から、以前よりある既存の障害の程度を差し引いて認定する差し引き認定と呼ばれる仕組みがありますが、以下のように、残念ながらもともとの障害よりも軽い等級に認定されてしまうケースがあるようです。

 

<厚労委員会の質問より抜粋>

両脚に障害があって年金2級だった方が、厚生年金加入後に交通事故にあって、歩けなくなった。両下肢完全麻痺になった。この場合は1級相当 だが、差し引き認定の適用になって、3級以下になって年金が減るという極めて 理不尽な事態が起きている。

 

この当事者は昨年、国を提訴し、訴訟は係争中だが、国は誤りを認め、支給すべきだった約8年分の約600万円を男性に支払いました。

 

以下は、現行の仕組みが設けられた経緯についての答弁です。

 

<厚労省年金管理審議官答弁より抜粋>

例えば保険料未納などによって、前発障害については要件を満たさない方が、新しい障害でどう認定するかという場合は、やはり差し引き認定がないと適切に対応できない。あるいは、前後の障害の程度を単純に重ねて評価すると、逆に誤って高い障害等級で認定されてしまうということがあるので、設けられている。

 

差し引き認定は昭和61年の改正で国民年金制度に導入されましたが、厚労副大臣は長期にわたり見直しが行われていないのは事実として認めました。障害が重くなったにも関わらず支給額が減るという不合理なケースがあることから、厚生労働省は是正に向け、制度を見直す方針のようです。

見直しの結果改正が実現し、正当な認定で受給に結びつく方が増えることを期待しています!

 

 

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