神経症での障害年金請求
こんにちは。障害年金サポート調布の岡部健史です。
障害年金の相談を受けると、私の場合、8割以上が精神の障害についてです。本日は、精神の障害の中の神経症についてお話ししたいと思います。
「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準(以下「認定基準」という)」によると、神経症については、その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則として認定の対象とならないとされています。したがって、神経症に分類される精神疾患については、原則として障害年金の対象とはなりません。不安神経症、パニック障害、社会不安障害(恐怖症)、解離性障害、強迫神経症(強迫性障害)などが神経症にあたります。
なぜ神経症が対象とされていないかというと、一定期間で治る可能性が高いことと、統合失調症や双極性障害などの精神病に比べて、障害の状態が軽微であるためといわれています。しかし問題なのは、神経症を認定の対象としないことについて、法令上の根拠が全く存在しないということです。長期にわたって治らず、精神病に匹敵する重篤な症状の神経症の方も実際に存在しています。私としては、神経症も認定の対象とすべきと考えますが、現時点では残念ながらそうなっていません。
では、神経症の方が請求しても絶対認められないのかというと、そうではありません。原則に対する例外の特例的取り扱いで認められる場合があります。その特例的取り扱いとは、「精神病の病態(ICD-10コードのF2(統合失調症)またはF3(気分[感情]障害)の区分に属するとされる病態)を示している場合には、対象傷病である統合失調症及び気分(感情)障害に準じて取り扱う」というものです。実務的には、診断書の備考欄に、示している病態とそのICD-10コードを記載していただくことになります。
すなわち、神経症であるからとすぐにあきらめるのではなく、まずは主治医に精神の病態を示しているかを確認することが重要です。精神の病態を示しているにもかかわらず、診断書にその事実が記載されていなければ不支給となる可能性が高くなりますので、神経症の方はしっかりと対策を立てる必要があるということです。
難しい取り扱いですので、まずは専門家にご相談いただくこともよいかと思います。
2018年1月10日