保険料納付要件を満たしていないときに検討すること
こんにちは。障害年金サポート調布の岡部健史です。
徐々に日が伸びていることを実感できる季節になってきました。大型連休を楽しく過ごすためにも体調管理には気を付けましょう。
さて、本日は『保険料納付要件を満たさなかったとき』について考えてみたいと思います。年金は社会保険であるため、受給するためには、原則としてあらかじめ一定以上の保険料の納付が必要となります。これを保険料納付要件と呼びます。したがいまして、この保険料納付要件を満たさない場合は、どんなに症状が重くても障害年金を受給することができません。これが保険制度の怖いところでもあるのですが、原則でもあるため当然ということもできます。すなわち、保険料納付要件を満たしていない場合は障害年金受給をあきらめざるを得ないということになるのですが、最後に残された次の2つの可能性を是非確認をしていただきたいと思います。次の2つのいずれかに該当すれば障害年金を受給することができるためです。
1.20歳前に初診日がないかを確認する
20歳前に初診日がある場合は、国民年金の被保険者になっていないので、保険料納付要件は問われず、(他の条件を満たしていれば)福祉的に障害基礎年金を支給することになっています。例として、精神の病気においては10代後半で発病する傷病が多く、病名が変更になっても因果関係ありとみなされるケースも多いため、20歳前に初診日がなかったかをもう一度よく検討していただきたいと思います。
2.社会的治癒が主張できるか検討する
「社会的治癒」とは、症状が安定しており、特段療養の必要がなく、長期的に自覚症状や他覚症状に異常が見られず、普通に生活や就労ができている期間がある場合に「社会的に治癒している状態」と認められることがあります。これを「社会的治癒」と呼び、一度治癒したものとして取り扱うことになります。すなわち、その場合は再発後に初めて病院を受診した日が初診日となり、保険料納付要件もその時点で判断されることになります。したがって、(他の条件は満たしている前提で)再発後の初診日で保険料納付要件を満たしていれば、障害年金を受給できることになります。
ただし、社会的治癒の状態に該当するかどうかは、診断書や病歴就労状況等申立書などの内容から個別に判断されることになり、一般的には、療養の必要がない期間はおおよそ5年程度必要と言われています。
年金事務所や市役所で保険料納付要件を満たしていないと告げられた方は、是非もう一度上記の2点を確認していただきたいと思います。可能性があるのであれば、最後まで検討してみることをお勧めいたします。本日お話しした内容は、非常に対応が難しいところでもあるため、ご不明な点は、是非専門家にご相談ください。
2018年4月19日