年金保険料を支払う意味

あけましておめでとうございます。障害年金サポート調布の豊嶋真理です。
少し前のことになりますが、昨年の11月30日、「令和5年度わたしと年金」エッセイ審査発表がありました。厚生労働大臣賞を受賞したエッセイは「なぜ年金を払わないといけないのか」というおそらく多くの方が考えたことのある疑問に対しての分かりやすいアンサーになっていますのでご紹介させてください。

エッセイの概要は次のとおりです。
受賞者の配偶者は2020年4月、急な病気に見舞われました。緊急手術で一命はとりとめたものの、仕事を継続することは困難でした。そこで障害厚生年金を請求して、現在は2種類の障害を抱えながらも前向きに過ごされている、という内容です。
障害年金には「保険料納付要件」というハードルがあります。受賞者は「夫が倒れる前は、給与明細を見て『厚生年金保険料、こんなに天引きされているのか』と、ため息をついていたことを今は反省している」と書いています。これまで厚生年金保険料を払い続けていたからこそ、いざという時の生活保障を受けられた、という保険料納付の意味が大変伝わりやすい作品でした。
年金を払わなければならない理由は「義務だから」でしょうか。「老後のため」でしょうか。どちらも間違いではないですが、「もしもの時の自分のため」の制度であることは間違いありません。年金制度は高齢者だけのものではなく、現役世代の「万が一」の時に果たす役割はとても大きいのです。

私たち社会保険労務士も、年金を支払うことの大切さをお伝えする機会がしばしばあります。しかしながら、今回の受賞作ほどの訴求力を持っていない、と改めて感じました。やはり、当事者の実感のこもった声が心に届く言葉なのだと思います。
エッセイは日本年金機構ホームページに掲載されています。今月は成人の日があります。特にこれから20歳になって年金制度に加入する方に、この作品を読んで「年金を払うことの意味」を知っていただきたいと思っています。

☟エッセイはこちらからご覧いただけます
令和5年度「わたしと年金」エッセイ審査結果について|日本年金機構 (nenkin.go.jp)

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