働きながら障害年金を受給する
障害年金サポート調布の豊嶋真理です。今回は、非常によくお問い合わせを受ける「働きながら障害年金を受け取れるか」についてお伝えしたいと思います。
始めに結論を申しあげますと、「就労=不支給」ではありません。日本年金機構は「障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金」と説明しています(出典:令和6年度版障害年金ガイド)。言い換えると、就労していても障害の原因となった病気やけがで仕事が制限されていれば障害年金が受け取ることができます。しかしながら、うつ病や発達障害などの精神疾患での障害年金の認定審査では就労の有無やその状況が認定の大きなポイントとなります。
●仕事などが制限されるとは?
障害者雇用や特例子会社で働いている場合は、会社から障害特性に合わせた合理的配慮の提供を受けているケースが多いでしょう。例えば、1日の労働時間が短く設定されている、時間外労働は行わない、休憩時間が多い(1時間に10分程度休憩がある)、仕事中は支援を随時受けている、などの対応が考えられます。これらの合理的配慮の提供がなければ、就労を継続することが難しい状況を「仕事上の制限」と呼ぶことができます。
一般就労の場合も、短時間勤務や欠席・遅刻・早退などの勤怠不良、休職などの就労上の支障があれば、一定の制限を設けないと就労は難しいと考えることができます。
●就労による日常生活への支障
仕事をしていれば、勤務日はなんとか頑張って働く方は多いでしょう。しかし、就労が日常生活へ支障をきたす場合もあります。例えば、家に帰ると疲れて何もできなかったり、休日も家事をする気力が起きず家の中が散らかったままでずっと横になっていたり、仕事外で人とコミュニケーションを取る意欲がない、などの状況が考えられます。障害の影響で日常生活に支障をきたしている場合は、就労に一定の制限を設けないと働き続けることが難しい状況と考えることができます。
働きながら障害年金を受給することは不可能ではありません。一方で、就労しているという事実だけを基にして「働ける=支障がない」と判断される可能性もゼロではありません。就労されている方は、仕事の制限と日常生活への支障の状況を障害年金請求時または更新時にしっかりと伝えることが大切です。
2024年9月18日