てんかんについて

みなさまこんにちは。
障害年金サポート調布の倉本貴行です。

今回は「てんかん」の診断書を書いてもらう際に留意すべき点についてです。
てんかんも当然に障害年金の対象です。てんかんにより日常生活に一定の支障があれば障害年金の対象になります。
障害年金を受給するためには、障害の状態が一定程度以上なければなりませんが、日本年金機構は何に基づいて障害の程度を判断しているかといいますと、障害認定基準という「ものさし」に基づいて判断を行っています。その障害認定基準によりますと、てんかんは「精神の障害」の欄に書かれており、1級として判断されるには「十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の援助が必要なもの」とあり、2級は「十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの」と書かれています。
では、A、B、C、Dの発作のタイプとはいったいどのようなものでしょうか。
同じく障害認定基準には次のように書かれています。
A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作
これを見てもよく分からないですね。
A、Bの方がC、Dに比べて重たいということが分かります。
AやBは意識障害を起こしたり、意識障害の有無には関係なく転倒したりするのに対して、CやDは意識を失っても倒れない、意識障害はないが随意運動ができない状態、ということになります。要するにC、Dに比べてA、Bの方が身体に及ぼす危険度合が高いといえます。
発作の頻度や状態(本人は発作時は当然覚えていない場合が多いので極力周りの方の協力を必要とします)をできるだけ正確に記録しておき医師に伝えることが必要です。

もう一つの要件である日常生活に与える支障度合いについては、発作を起こしているときは当然何もできない状態、即ち常時の援助が必要な状態といえます。一方発作が起きていないときは日常生活には一見影響はないといえます。
では、医師に診断書に書いてもらう際にはどうすればいいのでしょうか。発作時は当然何もできないのですが、発作が起きてないときにも発作が起きたらどうしようと常に不安を抱えていることをしっかりと伝えることが肝要です。
また、普段の生活の中での細かな気付き事項を伝えることも非常に大事です。
例えば、身辺の清潔保持について、浴室で急に発作が起きたら怖いので湯船に入ることができず、せいぜいシャワーを浴びる。掃除器の扱い方が急に分からなくなり右往左往してしまう。買物・金銭管理について、よく利用するコンビニやスーパーで急に何を買いに来たのか分からなくなった。同じものを何度も買ってしまった。身辺の安全保持・危機管理では、ボーっとしてしまい、信号待ちの際に赤信号で渡ろうとした。自転車を上手くよけることができなかった。バス停にいるときに急に不安になりバスを見送ってしまった等々をしっかりと医師に伝えるよう心がけましょう。

以下余談です。
てんかんに限らないことですが、診断書の内容が本人から見て軽く書かれているようであれば、必ず医師に伝えましょう。医師は本人を診断し、医学的な見地からの診断書は当然書きますが、障害年金といういわば社会医学的な見地からの診断書の作成はなかなか難しいのが実情だと思われるからです。将来に悔いを残さないためにもキチンと医師と向き合いましょう。

ご不明な点や分からない点は年金事務所や市役所へ相談されるか、我々社会保険労務士にお尋ねください。
お待ちしております。

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