障害認定日の特例(3)

みなさま、あけましておめでとうございます。
障害年金サポート調布の倉本貴行です。

私たち7人のメンバーは平成24年11月から調布市の社会福祉協議会と一緒に障害年金の相談に携わっています。早くも丸5年が経ちました。その間延べ330人の方々の相談に与りました。障害年金のことを少しでも知ってもらいたいという気持ちでスタートしました。
これからも続きます。5年後、10年後、…

さて、先日次の様なご質問を受けました。
「糖尿病が原因で病院に救急搬送され、翌日には大腿部から切断せざるを得なかった。病院で障害年金が請求できるのではと聞いたが、ものの本によると1年6か月待たないと請求できないと書いてあるがその通りか。」
障害年金は、一定の期日において、一定の障害状態にある場合に支給されます。
即ち、その日現在の障害の状態についてその程度を定め、年金を支給するかどうか、支給するのであれば何級の年金を支給すべきかを決定します。したがって、その日において障害年金の受給権も発生することになります。そしてその障害の程度を定める日のことを「障害認定日」といい、次のようになっています。
1、傷病に係る初診日から起算して1年6カ月を経過した日
2、1の期間内にその傷病が治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)があるときは、その日
なお、ここでいう「治った」というのは、障害それ自体をいうのではなく、傷病につ いていうとされています。例えば今回の相談事例のように足を切断した場合、足を失った状態即ち障害は一生涯継続しますが、その治った日というのは傷口が治った日のことを言います。これに対して、精神疾患等で1年6か月経過しても治らない場合は、疾病が治らない状態にあること自体を障害とみなすことになります。

相談された方も、障害年金は初診日から1年6か月経たないと請求できないのではないかということを気にされていたわけですが、上に書いたように例外があり、今回の事例はその例外になるということです。要するに請求者の利益を考えて1年6か月待たなくても障害年金の請求ができるということです。
どのような制度もそうですが、障害年金制度についても原則と例外があります。
不明な点や分からない点は、そのままにせずに、年金事務所や市役所、我々専門家にお聞きになることをお勧めいたします。中途半端な知識のままに手続きをすると、最後は必ず本人に跳ね返ります。

なお、初診日から1年6か月というのは、従前は3年とされていたものを、傷病で働けない人に早く障害年金を支給して、その早期救済を図るために昭和51年の法改正により短縮されたものです。

コラム

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