精神障害における日常生活について

みなさまこんにちは。
障害年金サポート調布の倉本貴行です。

障害年金を請求する際には、「日常生活の状態」がポイントになるということは、このコラムでも何回か書かれていることです。
特にうつ病や統合失調症、発達障害や知的障害、てんかん等の「精神の障害」で障害年金を請求する際には、それ以外の眼や耳、肢体や心・腎・肝疾患や糖尿病等の診断書にあるような諸検査や諸計測等の眼に見える客観的な数値の記入欄は臨床検査欄(心理テスト・認知検査・知能障害)を除いてありません。
精神障害用の診断書に「日常生活能力の判定」という項目があり、そこに
1.適切な食事
2.身辺の清潔保持
3.金銭管理と買い物
4.通院と服薬
5.他人との意思伝達及び対人関係
6.身辺の安全保持及び危機対応
7.社会性
の各項目があり、それぞれ
イ.できる
ロ.自発的にできるが時には助言や指導を必要とする
ハ.自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる
ニ.助言や指導をしてもできない若しくは行わない
の選択肢があります。
夫々の項目の判断にあたっては、「単身で生活するとしたら可能かどうかで判断してください。」の注意書きが『赤字』で書かれています。ことほど左様に精神障害の認定に際しては日常生活の状態が重要視されているということです。
平成28年9月に策定された「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」に「日常生活能力の制限の度合いを適切に把握するため、入所施設やグループホーム、日常生活上の援助を行える家族との同居などにより、支援が常態化した環境下で日常生活が安定している場合であっても、単身でかつ支援がない状況で生活した場合を想定し、その場合の日常生活能力について記載してください。」と書かれています。
診断書の作成を医師に書いてもらう際には、できることなら、上記の7項目についての普段の生活ぶりを、メモ等に書いて医師に渡すように心がけましょう。診察室の中だけで本人の普段の生活ぶりを医師に理解してもらうことはかなり困難だと思われます。ご家族がいらっしゃればご家族に書いてもらうのも一法です。
診断書ができ上った後で、どうも実状と異なると言って医師に修正を申し出るより、事前にメモ等で正確に医師に伝える方が医師としても診断書を作成しやすいと思われます。

障害年金について、分からない点や、あやふやなところがあれば、そのままにせずに、年金事務所や市役所の国民年金係、私たち専門家に遠慮なくお尋ねになることをお勧めいたします。

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