線維筋痛症等の初診日について

こんにちは。障害年金サポート調布の岡部健史です。
先日障害年金の初診日に関する重要な通知が発出されましたので、今回はこの通知についてご説明します。

この通知は、線維筋痛症、化学物質過敏症、慢性疲労症候群及び重症筋無力症(以下「線維筋痛症等」という。)については、発症直後に確定診断がされない事例が見られることから、その障害年金の初診日の取扱いに当たって、次の事項に留意の上、取り扱うように求める内容となっています。
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1.線維筋痛症等については、請求者から提出された診断書、受診状況等証明書、病歴・就労状況等申立書等の提出書類の審査等を通じて、請求者が申し立てた初診日(以下「申立初診日」という。)における診療と線維筋痛症等との間の関連性の有無を判断し、申立初診日における診療が線維筋痛症等に係る一連の診療のうち初めての診療であると認められる場合には、申立初診日を障害年金の初診日として取り扱うものとする。

2.請求者から提出された提出書類の審査等の結果、①から③までのいずれにも該当する場合は、線維筋痛症等に係る申立初診日を障害年金の初診日として取り扱うことができるものとする。なお、当該場合以外の場合であっても、個別事例ごとの事情に応じて、提出書類の内容等を総合的に考慮した結果、申立初診日における診療が線維筋痛症等に係る一連の診療のうち初めての診療であると認められる場合には、申立初診日を障害年金の初診日として取り扱うものとする。
① 申立初診日に係る医療機関が作成した診断書又は受診状況等証明書の記載内容から、申立初診日において、請求者が線維筋痛症等の症状に係る診療を受けていたものと認められること。例えば、申立初診日に係る医療機関が作成した診断書又は受診状況等証明書の記載内容から、線維筋痛症に係る申立初診日において、請求者が身体の広範囲に及ぶ慢性疼痛について診療を受けていたものと認められる場合や、重症筋無力症に係る申立初診日において、請求者が眼瞼下垂又は複視について診療を受けていたものと認められる場合などが該当すること。
② 線維筋痛症等に係る確定診断を行った医療機関が作成した診断書(確定診断に基づき他の医療機関が作成した診断書を含む。)において、申立初診日が線維筋痛症等のため初めて医師の診療を受けた日として記載されていること。
③ 発症直後に確定診断が行われなかった理由に関する申立てが行われていること。なお、提出書類の記載等から、線維筋痛症等に関連する医療機関への受診について未継続の期間が確認される場合にあっては、当該未継続期間において、線維筋痛症等の症状が継続している旨の申立てが行われていること。また、当該未継続期間が6ヶ月を超える期間となる場合にあっては、診断書等の医療機関が作成する書類の記載内容から、当該未継続期間において、線維筋痛症等の症状が継続しているものと認められるものであること。

3.請求者が障害年金初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合については、「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて」(平成27年9月28日年管管発0928第6号)に基づき、第三者証明、参考資料等を活用しつつ、障害年金初診日に係る審査を行う。
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障害年金の初診日は重要です。初診日によって障害基礎年金あるいは障害厚生年金いずれの対象となるかが判断されますし、初診日の前日までの保険料の納付状況等によって受給資格があるか否かが判断されることになります。すなわち、保険料の納付状況等によっては症状がどんなに重くても支給されず、支給が決定されたとしても、障害基礎年金か障害厚生年金かによって金額や等級が全く異なることがあるということです。
線維筋痛症等については、確定診断日を初診日とする取扱いが常態となっておりましたので、今回の通知により、条文上の初診日の取扱いのあり方(疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日)に修正したということがいえるかと思います。
ただし、病歴就労状況等申立書の治療歴の経過や病状の記載や確定診断後の診断書に申立て初診日が記載されていることなどを審査することとされているため、書類の作成上も注意する必要があるということになります。

障害年金の請求において、初診日の証明が最も難しいといっても過言ではありません。ご不明な点は、是非年金事務所や専門家にご相談ください。

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