交通事故と精神障害

みなさまこんにちは。
障害年金サポート調布の倉本貴行です。

今回ご紹介するのは、交通事故によって精神疾患を患った方の事例です。
一般的に精神疾患というと、それまで経験したことのない何か特別のことが身に起きて、それがきっかけで精神的不安が高じ、精神状態が不安定になり、精神病になるというイメージが強いと思います。
また、特にこれといった原因はないが、いつの間にか、知らないうちに精神症状が徐々に悪化して精神病になるということもあります。

交通事故を起こし、頭部を強く打ち、しばらく入院を余儀なくされ、退院してもどうも気分がすぐれない、気分が落ち込む、人に会いたくない等々の症状が出て、精神科を受診され、その後も複数の精神科を受診された方からのご相談でした。交通事故に遭ったのが30年ほど前、20歳前のことです。
まずは初診日を証明する必要があります。当時搬送された病院にはカルテはなく、交通事故ということで新聞社や警察、消防署等へ問い合わせましたが、記録は既にありませんでした。
たまたま、本人の父親が書いていた日記と、事故を起こした本人の車の修理を行った業者を探し出すことができ、所謂第三者証明を作成してもらい初診日の証明(疎明?)はできました。
次いで、現在の症状を医師に書いてもらうこととなります。
担当医は交通事故と現傷病(統合失調症)の間には因果関係はないという見立てをされていたのですが、障害認定基準(障害年金の認定に用いる基準集)の精神の障害欄には、症状性を含む器質性精神障害(脳や脳以外の身体の病気により精神症状が現れるもの)の項目が用意されていることから、その説明を行い最終的には診断書の備考欄に「交通事故が統合失調症の発症時期であると推測される」と書いていただくことができました。
審査の結果2級の年金が決定しました。

補足ですが、精神病には3種類の精神病があるといわれています。
① 身体に原因のある場合(今回の案件がこれに当たります)
② 心理面・環境面に原因のある場合
③ 原因不明あるいは内因性の場合
私たちは、調布市社会福祉協議会の協力を得て、月に1回無料の障害年金相談会を行っています。
障害年金について、不明な点、分からない点が少しでもあればどうぞ相談会にお越しください。お待ちしております。

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