障害年金をもらうと、将来もらえる老齢年金は減ってしまうのか?

こんにちは。障害年金サポート調布の岡部健史です。
本日は、2級以上の障害年金がもらえるようになったときに直面する「老齢年金が減ってしまう」問題についてご説明いたします。

「障害年金をもらうと、将来もらう老齢年金が減ってしまう」ということを耳にされた方も多いかと思います。このことについてもう少し正確にご説明しますと、障害年金をもらうことで老齢年金が減額されることはありません。障害年金をもらっていても、保険料をしっかり納めていれば老齢年金は減額されないということになります。したがって、障害年金をもらうことそのものが原因ではなく、老齢年金が減額されるのは、保険料を納めないということが原因になります。

2級以上の障害年金をもらえる権利を獲得すると、法定免除に該当することになります。法定免除とは、法律上当然に国民年金保険料が全額免除されるという制度です(厚生年金保険料は免除になりません)。すなわち、法定免除により国民年金保険料を全額免除にしていると、老齢年金が減額されるということになります。法定免除の期間は、全く老齢年金額に反映されないわけではなく、国民年金保険料を2分の1納めた場合(平成21年4月以後の場合)と同じ状態となります。

ただし、老齢年金を減額されたくない方のために、法定免除期間については納付申出が行えることになっています。納付申出は、納付の意思を示すことで、これを行うと国民年金保険料を支払うことができます。したがって、納付申出を行って国民年金保険料をしっかりと納めていれば、老齢年金は減額されないということです。

ここでさらに考慮すべき点が次です。
年金制度には、「1人1年金の原則」という決まりがあり、1人がもらえる年金は原則として1つということになっています。したがって、障害年金と老齢年金の権利を得た場合であれば、障害年金か老齢年金かのどちらかを選択して受給するということになります。基本的には金額の多いほうをもらうことになりますが、ケースによっては、課税か非課税か、他の給付や給与との調整があるのか等を考慮して最も有利なもらい方を選択します。
障害年金をもらいながら、頑張って国民年金保険料を納めてきたのに、残念ながら1人1年金の原則によって金額の高い障害年金をそのままもらい続けるということであれば、結果として国民年金保険料を納めてきた利益を得ることはできない事になります。

結論として、納付申出を行う場合は、将来の老齢年金のことも考え、さらに医師にしゆの可能性なども相談して判断していただくことになります。
年齢によっては、年金事務所で試算してもらうことも可能ですので、あらゆる情報から慎重にご判断ください。

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