社会的治癒
みなさんこんにちは。
障害年金サポート調布の倉本貴行です。
今回は「社会的治癒」についてお話しします。
「社会的治癒」という言葉をお聞きになったことはありますか。
「社会的治癒」とは、傷病が、医学的な意味では治癒したとはいえないが、その症状が消滅して社会復帰が可能となり、かつ、治療投薬を要せず、外見上治癒したと見えるような状態がある程度の期間にわたって継続することであり、年金の保険給付上はこれを治癒に準じて取扱っています。
なんとなく分かったような、分からないような表現ですね。
簡単に言えば、以前病気だったが、一定期間普段通りの生活を送ることができた場合は、その病気は治った、として扱うということです。
では、「社会的治癒」は、なぜ存在しているのでしょうか。
たとえば、国民年金に加入中に、ある傷病が原因で通院していたが、治癒したので会社に入って元気に働き始めたところ、再び同じ傷病で通院するようなこととなり、障害状態になった場合、初診日は国民年金加入中なのか、あるいは、厚生年金保険加入中なのかで迷うことがあります。
国民年金加入中に初診日があった場合、それから10年も経つとカルテがないことが多く、初診日の証明ができず、結局障害年金の手続きを諦めてしまうことが多々あります。
そういった場合に、「社会的治癒」を主張することにより、厚生年金保険に加入中に初診日があるとして手続きを進めることができます。
「社会的治癒」は、『傷病の治癒に関する一般人のいわば素朴な感覚を尊重し、これに基づいて初診日の設定を行なうことにより、年金の保険給付の充実を図ろうとするものであって、いわば被保険者の救済のために考え出された法理であり、その性質からいって、保険者の側でこの法理を持ち出し、年金の保険給付をしないための論理とすることはできない』とされています。
私たちは、障害年金のことをたくさんの方に知っていただきたいと思っています。
でも残念ですが、「仕組みが複雑すぎる」「制度がよく分からない」という理由でご存知ない方がまだまだたくさんいらっしゃいます。
私たちは、できる限り分かりやすい言葉で説明するよう心掛けています。
分かりにくいことがあればどうぞご相談ください。
お待ちしております。
2013年4月24日