取り扱いの改善

こんにちは。障害年金サポート調布の岡部健史です。
本日は、最近出た新聞記事からお話をさせていただきたいと思います。

その新聞記事には、『交通事故などが原因で頭痛やめまいを引き起こす「脳脊髄液減少症」の患者に対する障害年金について、本来よりも金額が過少になっていると専門家らによる指摘があり、実務を担当する日本年金機構が厚生労働省からの要請で運用を改善したことが十三日、分かった。』と記載されていました。

記事で指摘されている「脳脊髄液減少症」を含む難病と言われている病気は、初診日の認定が特に難しい病気です。診断が難しくもあるため、複数の病院を転々として数年かかり、やっと確定診断に至るというケースも少なくありません。
したがって、確定診断日前の受診について、障害年金の請求傷病と因果関係が認められるかをはっきりと確認することができないため、難病については、近年、確定診断を受けた日を初診日とするという取り扱いがなされてきていました。

記事から、上記について取り扱いを改めたということがうかがえます。
確定診断日を初診日とする場合、初診日は発病後の最初の受診の時点(本来認められるべき初診日)よりも後ろになり、場合によっては数年後になります。原則として初診日から1年6か月経過後に受給権が発生する障害年金においては、初診日が後ろにずれることによって受給が遅くなるという不利益が発生することになります。
すなわち、今回の改善では、初診日が後ろにずれて受給を遅くすることを防ぐ効果があると言えます。

法律の条文上は、初診日は次のように規定されています。
「障害の原因となった傷病について、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日」
したがいまして、今回の改善は、法律で規定する本来の取り扱いになったということが言えるのではないでしょうか。
ただし、今回指摘されているのはあくまでも「脳脊髄液減少症」についてのみであるため、他の難病については、依然として確定診断日を初診日とする取り扱いがなされる可能性もあります。
すべての難病についても取り扱いを改善してほしいものです。

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