初診日が見つからないときは・・・
皆さまこんにちは。障害年金サポート調布(SSC)の井上真理子です。パリオリンピック熱かったですね!私はダンスが趣味なので徹夜でブレイキンを応援しました。ダンスは個性を大切にするスポーツなのでもっと広まってほしいなと思います!
今回は障害年金請求の入り口、“初診日が見つからないとき”についてお話ししたいと思います。
◆前提:障害年金を受給するための3つの要件
障害年金を受給するためには3つの要件を満たす必要があります。
①初診日要件
請求する傷病で初めて医師等にかかった日において年金制度の被保険者であったか(一部例外あり)
②保険料納付要件
初診日において年金保険料を一定以上納付や免除申請をしているか
③障害の程度要件
障害認定日において年金制度が定める障害等級に該当するか
日本の年金制度は保険形式で運営されているため、初診日において年金で保障される人だったのかを厳密に確認します。事故に遭った後に自動車保険に加入しても保険金がもらえないのと同じで、医師にかかった後に年金制度に加入したり保険料を納付したりしても年金で保障を受けることができません。そのため、この“初診日”がいつであったのかは医療機関の証明書を提出しなければならず、主張している初診日が適格であるか厳密に審査されます。
では、初診日がみつからないときはどうしたらよいでしょうか?
いくつかのパターンをご紹介します。
◆ケース①:初診日がわからない
お薬手帳や家族の証言、診察券などから受診の時期や順番を整理していきますが、当時の資料も記憶もなく、全く手がかりがないこともあります。その場合は、直近の医療機関から順に、「以前別の病院にかかっていたことを伝えていたか、前医からの紹介状があるか」などを問い合わせしていき、状況を整理します。
◆ケース②:初診日はわかるけど医療機関の証明がもらえない
当時のお薬手帳や日記等から初診の日付はわかるものの、医療機関がカルテを破棄していて証明がもらえないことがあります。この場合は受診歴が最も古い病院から順番に証明書を依頼し、断られたら次の病院で証明書を依頼し、、、を、初診日の証明がもらえるまで続けていきます。また、診察券、障害者手帳、お薬手帳、母子手帳等、客観的に受診していたことを証明できる資料を用意します。
◆ケース③:そうは言っても、受診歴もわからない、客観的証拠もない場合
初診当時は障害年金を受給するほど状態が悪化するとは思っていなかったから診察券等は全て捨ててしまった、何度も転医したからどの病院に行ったかも覚えていない、ということもあります。
初めて行く医療機関では発病からの経過や治療歴を伝えることが多いため、現在の医療機関から順に遡って、発病からの経過や治療歴が記録に残っていないかを確認します。おおむね5年以上前に、医師に「平成〇年〇月頃に体調に異変を感じて××病院を受診した」と陳述しており、その記録がカルテに残っていて初診日の証明書や診断書に記載してもらえれば、客観的証拠がなくても初診日が認められます。
◆番外編:初診日は見つかったけど納付要件がNG
初診日を特定して年金事務所に相談に行ったけれど納付要件がNGだった、というパターンもあります。この場合でも、ご自身で特定した初診日が誤っている可能性があり、初診日がずれることにより要件を満たせる場合があります。
初診日は『関連する症状』で医師等の診療を初めて受けた日です。つまり、別に持病をお持ちの方でも、関連する症状なら1つの傷病として扱い、関連しない症状なら別々の傷病として扱います。1つの傷病と考えた時の初診日で納付要件がNGでも、別々の傷病と考えた時の初診日では納付要件が満たせることがあります。
関連する症状がどうかの判断は非常に難しいため、何度も転医している方、複数のご病気をお持ちの方、数年間通院服薬なく元気に過ごしていた方は、一度専門家にご相談ください。
私たち障害年金サポート調布は、月に1回調布市社会福祉協議会のご協力を得て無料の障害年金相談会を開催し、状況整理のお手伝い、最適なご請求方法や進め方のアドバイスなど、障害年金を必要とする方にお届けするお手伝いをしています。ぜひご利用ください。
2024年8月21日