医療機関における社会保険労務士の活用
障害年金サポート調布の深澤理香です。布団から出るのがつらい季節ですね。私は毎朝、一晩寝てこり固まったガチガチの身体をほぐすために体操をしています。若いころはこんなことしなかったのに、いつの間にか、昔母がやっていたことを倣っている自分に気づき、笑ってしまいます。
最近、医療機関を訪問する機会がふえてきました。ほとんどが、「労務管理」についてのお打合せですが、社労士の業務としては、実際にはたらいている医療従事者の方たちに対する「労務管理」だけでなく、来院される患者さんたちに対するサービス(障害年金、健康保険や雇用保険の給付、就労支援などの相談)もあるんですよ、というお話をすると驚かれます。医療現場は、慢性的に人不足といわれ、医療従事者のみなさんの強い思いと信念に支えられていると感じることが多くあります。
そこで、今回は、医療機関において、私たち『社会保険労務士(社労士)がお手伝いできること』をお伝えしたいと思います。
◆社労士とは??
企業経営の3要素 (ヒト・モノ・カネ)のうち、 ヒトに関するエキスパート です。
具体的には、下記のような仕事をしています。
【1.人事労務管理の専門家として】
○就業規則、賃金・退職金制度、評価制度など社内制度の企画・立案、設計、運用
○労働時間管理、採用、退職、人材配置、定年、再雇用、メンタルヘルス、安全衛生管理、企業年金、福利厚生、助成金に関する相談対応
○個別労働関係紛争、労使トラブルの 未然防止、円満解決
【2.労働社会保険関係の専門家として】
○健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法、労働基準法、労働者災害補償 保険法、雇用保険法、介護保険法、育児休業・介護休業法、次世代育成支援対策推進法など約50の法律が主な業務範囲
○上記法律等に関する書類作成・手続の代理
・入職、退職の際の届出等(労働社会保険の加入等)
・休業補償、分娩費、出産・傷病手当の支給申請
・両立支援等助成金など各種助成金の支給申請
・賃金計算、労働者名簿・賃金台帳などの調製
◆医療現場で社労士が担える問題対応の方法(一例)
実際に医療機関において労務管理をお手伝いしていると、下記のような問題に直面します。
【1.医療従事者 不足対応】
•医療従事者採用における補助(面接同席、採用後の社会保険手続きをはじめとする事務作業等)
→医師紹介事業者の利用抑制に向けた取組に協力
•離職防止の方策提案・検討(有給休暇問題、福利厚生対策、定年後の再雇用制度構築等)
•潜在看護職員の現場復帰対策の提案・補助(家庭との両立が図れるよう、変形労働時間制度導入等)
【2.勤務環境 改善対応】
•人事体制の構築、労務管理
•問題職員への対応支援
•時間外手当算定ルールの作成、運用支援(給与計算業務含む)
•個々の医療機関の実情に合わせた就業規則作成
•メンタルヘルス対策支援
•研修会(医師、看護職員、事務長・労務担当者等職種ごとに開催)
【3.経営改善】
•給与体系の構築・支援
•定年後の再雇用制度導入等による効率的・効果的な人員配置
•労働紛争の未然防止
•雇用関係の助成金に関するコンサルティング、手続代理
•産休・育休・介休から復帰しやすい制度設計
◆患者さんに対するお手伝い
私たち社労士は、医療機関や行政機関において、患者さんに対する生活支援・職場(社会)復帰支援を行っています。具体的には、患者さんとそのご家族、医療機関等と相談しながら「治療しながら働き続けることの出来る環境づくり」や「障害年金受給に向けたサポート」などを行っています。
生活支援・職場(社会)復帰支援とは??
1.健康保険・・・傷病手当金、高額療養費
2.雇用保険・・・傷病手当、職業訓練
3.年金・・・・・障害年金、障害手当金
4.労務管理・・・勤務先の社内制度整備 など
先日、あるお医者さんと障害年金の診断書様式について意見交換をしました。私たちが普段見慣れているこれらの様式が、専門医の先生方の視点でみると、またいろんな思いがあるということを知りました。これからもさまざまな連携を密にして、本当に困っている/サポートを必要としている人や部分に、私たち社労士を用いていただけますように、日々研鑽しその課題に向き合っていきたいと思っています。
2015年1月28日