特別支給の老齢厚生年金の障害者特例

こんにちは。『障害年金サポート調布』の岡部健史です。
梅雨に入ってジメジメと蒸し暑い日が続きますが、これを過ぎれば暑い夏がやってきますね。
田舎で過ごす夏が待ち遠しいです。

今日は、「特別支給の老齢厚生年金の障害者特例」について説明させていただきます。

年金は65歳から支給される国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)を基準として考え、原則として65歳支給開始となっています。
しかし、以前の支給開始年齢は60歳であったことから、1年以上厚生年金加入期間がある方は生年月日によって65歳より前から厚生年金が支給されるようになっています。これを、特別に支給される厚生年金ということで、特別支給の老齢厚生年金と呼びます。言い方を変えると、以前は60歳支給開始であった年金を生年月日によって段階的に65歳支給に近づけているということが言えます。

特別支給の老齢厚生年金は、「報酬比例部分」「定額部分」という2つの部分に分解することができます。まず、生年月日によって定額部分の支給開始年齢が引き下げられ、その後報酬比例部分についても引き下げられることになり、最終的には特別支給の老齢厚生年金の支給はなくなります。

実際の引き下げ経過を見てみますと、次になります。
「定額部分」は下記の年齢に達したときに支給されます。

<生年月日>
・昭和16年4月2日~昭和18年4月1日・・・61歳
・昭和18年4月2日~昭和20年4月1日・・・62歳
・昭和20年4月2日~昭和22年4月1日・・・63歳
・昭和22年4月2日~昭和24年4月1日・・・64歳
(女性は上記の生年月日に5年を足して読み替えます。例えば昭和21年4月2日~昭和23年4月1日・・・61歳)

さらに、報酬比例部分の支給開始年齢も、下記のように段階的に引き上げられます。
下記の方は、60歳からは年金が支給されずに、支給開始年齢から、報酬比例部分のみが支給されることになります。

<生年月日>
・昭和28年4月2日~昭和30年4月1日・・・61歳
・昭和30年4月2日~昭和32年4月1日・・・62歳
・昭和32年4月2日~昭和34年4月1日・・・63歳
・昭和34年4月2日~昭和36年4月1日・・・64歳
(女性は上記の生年月日に5年を足して読み替えます。例えば昭和33年4月2日~昭和35年4月1日・・・61歳)

ここからがポイントなのですが、一定要件を満たす方は「障害者の特例」に該当し、定額部分と報酬比例部分を合わせて受給できるようになるのです。
注意が必要ですが、合わせて受給できるようになるのは、60歳からではなく、最高でも報酬比例部分の支給開始時点からです。

ちょっと難しい制度ですが、障害者の特例に該当する条件は以下になります。
1.昭和36年4月1日以前生まれの男性または、昭和41年4月1日以前生まれの女性
2.厚生年金保険の被保険者でないこと
3.障害等級3級以上に該当していること
(必ずしも障害年金を受給している必要はなく、障害年金の3級以上に該当していると証明できれば可)

障害年金の額と特別支給の老齢厚生年金の額を比較し、年金額にあまり差がない場合は、
障害厚生年金を選択した方がいいことがあります。

障害年金は非課税ですが、老齢年金は課税対象とされているためです。
所得税・住民税・国民健康保険料等に影響し、結果的に手取り額が低くなってしまうこともあります。

少し難しい制度ですので、ご不明な点は、気軽に専門家や年金事務所などに相談してください。

6月19日(金)に調布市総合福祉センターの4階で障害年金のセミナーと個別相談会を行います。
参加費はいずれも無料ですし、セミナーのみの参加でも大丈夫ですので、是非多くの皆様のご来場をお待ちしております。

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