障害者差別解消法の施行について

障害年金サポート調布の深澤理香です。
まだまだ冬と思っていましたが、近所の大寒桜が咲き始めました。春が近づいてきているのを感じます。世間は「卒業シーズン」なんですね。
先日、幼稚園の卒園式準備のようすを見学しました。わずか6歳の子たちが、一生懸命「思い出」の歌を歌う姿に涙が出そうになりました。クラスには少し障害があるお子さんもいましたが、クラスメートは特別に気にすることなく、その子が歩き回ってもさりげなく誰かが一緒に席に戻ったりしていました。これからもこんな気持ちを持ったまま大きくなってほしいなと思いました。
今年は、新たな取組みとして、障害児と一緒にテーマパークに行く企画のお手伝いをしたいと思っています。

前回も書きましたが、いよいよこの4月1日より「障害者差別解消法」が施行されます。この法律は、障害のある人に対しての「障害を理由とする差別」を無くすための法律です。障害のある人もない人も、共に生きる社会をつくることを目的としています。

*対象者は?
全ての分野の事業主が対象です。
(個人事業主・ボランティア等の無報酬の事業者・NPO等の非営利事業者も対象)

*障害者差別解消法での差別とは?
「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮をしないこと」が、差別になります。

*「不当な差別的取扱い」とは?
例えば、「障害がある」という理由だけでスポーツクラブに入れないこと、アパートを貸してもらえないこと、車いすだからといってお店に入れないことなどは、障害のない人と違う扱いを受けているので、「不当な差別的取扱い」であると考えられます。ただし、他に方法がない場合などは、「不当な差別的取扱い」にならないこともあります。

*「合理的配慮をしないこと」とは?
聴覚障害のある人に声だけで話す、視覚障害のある人に書類を渡すだけで読みあげない、知的障害のある人にわかりやすく説明しないことは、障害のない人にはきちんと情報を伝えているのに、障害のある人には情報を伝えないことになります。
障害のある人が困っている時にその人の障害に合った必要な工夫ややり方を相手に伝えて、それを相手にしてもらうことを合理的配慮といいます。障害者差別解消法では、役所や会社・お店などが、障害のある人に「合理的配慮をしない」ことも差別となります。

*役所と会社・お店などの相違点
不当な差別的取扱いをすることは、役所も会社・お店等も禁止されます。
また、当然ながら、役所は、必ず合理的配慮もしなければなりません(法的義務)が、会社・お店などは、障害のある人が困らないようにできるだけ努力することとなっています(努力義務)。これは、合理的配慮のために、例えば、お金がかかりすぎたりすることもあるので、他の工夫ややり方を考えるようにしましょう、という意味です。

*会社やお店の事業主さんがすること
この新しい法律の主旨や、障害のある人への対応方法について、従業員研修を実施する等、障害者に対する差別解消に向けて積極的に取り組みましょう!このような取組みを行なっている会社は、障害者に限らず、女性や高齢者等いろんな人たちが働きやすい職場になっていきます。世間からの評価も高くなり、結果的にプラスになることが多いです。

*私たち市民がすること
少しの気遣いで暮らしやすくなることもあります。困っている人を見かけたら、ほんの少し勇気を出してお声掛けしてみてはいかがですか。

*障害のある人が「差別された」と感じたら?
「近所の人から差別的なことを言われました。その人は罰を受けないのでしょうか?」という相談がありました。この障害者差別解消法が禁止しているのは、役所や会社・お店などによる差別です。この法律が、一人ひとりのすることや考えを罰することはありません。障害のある人への差別がなくなるよう、国や都道府県または市町村は、障害や障害のある人について、国民が理解を深められるような取組みをしなければなりません。会社やお店等で「差別された」と感じたら、市役所や相談支援事業所の窓口にご相談ください。

今回の原稿は、市報ちょうふ(2/20号)と、内閣府HPを参考文献にして作成しました。市報ちょうふによりますと、この法律をもっと知ろう!語ろう!という取組みを、私たち障害年金サポート調布SSCが毎月開催している「障害年金・個別相談会」と同じ総合福祉センター「障がい者支援係ドルチェ」さんの方で企画しているようです。
ご興味のある方は、参加されてはいかがでしょうか。

コラム

« »