最低賃金の適用

皆さん、お元気でしょうか。障害年金サポート調布の福間です。

平成28年6月2日に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」において、「一億総活躍社会を実現するためには、障害者、難病患者、がん患者等が希望や能力、障害や疾病の特性等に応じて最大限活躍できる環境を整備することが必要である」とされています。
今後も障害者雇用は着実に進展していくものと考えれます。

その中で労働者のモチベーションを高めるものとして、最低賃金の引上げがあります。今年は、10月1日から東京都最低賃金は、1,013円となり、千円の大台を超えました。
今回は、最低賃金の減額申請と最低賃金の及ばない事業所について調べてみたいと思います。

東京都最低賃金は、東京都内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に適用されるもので、常用・臨時・パートタイマー・アルバイト等の属性、性、国籍及び年齢の区別なく適用されます。

しかし、一般の労働者より著しく労働能力が低いなどの場合に、最低賃金を一律に適用すると、かえって雇用機会を狭めるおそれがあることなどから、以下の労働者については、雇用主が都道府県労働局長の許可を受けることを条件に、個別に最低賃金を減額する特例(『最低賃金の減額の特例許可申請』)が認められています。
1.精神または身体の障害により著しく労働能力の低い者
2.試用期間中の者
3.基礎的な技能などを内容とする認定職業訓練を受けている方のうち、厚生労働省令で
定める者
4.軽易な業務に従事する方等断続的な労働に従事する者

この『最低賃金の減額の特例許可申請』制度の内、1.精神または身体の障害により著しく労働能力の低い者の申請要件を見てみたいと思います。

パンフレットには次のことに注意するよう記載されています。

1.労働者の方の障害は、業務遂行に、直接、著しい障害を与えているか?
単に障害があるだけでは、許可の対象とはなりません。その障害が業務の遂行に、直接、支障を与えていることが明白である必要があります。
2.障害について、客観的な資料があるのか?
労働者の方が身体障害者手帳などをお持ちの場合は、ご本人、ご家族などの了解を得た上で、これらに基づいて申請書の「精神又は身体の障害の程度」の欄に記入し、身体障害者手帳の写しを申請書に添付してください。

この申請を行い、要件を満たした場合には、期限付きで認められることになります。

しかし、これまで述べてきたのは、雇用契約に基づく就労が可能な障害者の方についてです。
雇用契約に基づかない報酬には最低賃金法は適用されません。

この雇用契約に基づかない事業所として、「就労継続支援B型事業」があります。この支援事業については、次のように定義されています。「通常の事業所に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が困難である者に対して行う就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援事業である。」

少し古いのですが、平成25年10月時点の厚生労働省のデータによると、この支援事業の利用者は約17万5千人。内訳は、身体22,608名、知的99,060名、精神53,571名。
月額の平均賃金(工賃)は14.000円程度とされています。

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