初めて2級

みなさまこんにちは。
障害年金サポート調布の倉本貴行です。

今回ご紹介するのは「初めて2級」という方法で請求した事案です。
「初めて2級」という言葉は馴染みのない言葉ですが、このコラムでも過去に紹介(2015年8月19日・2016年6月29日)されており今回は具体的な事例でご紹介いたします。

みなさまこんにちは。
障害年金サポート調布の倉本貴行です。

今回ご紹介するのは「初めて2級」という方法で請求した事案です。
「初めて2級」という言葉は馴染みのない言葉ですが、このコラムでも過去に紹介(2015年8月19日・2016年6月29日)されており今回は具体的な事例でご紹介いたします。

請求傷病は「膀胱がん」と「直腸がん」です。
前発障害は膀胱がんで尿路変更をした方です。初診日は国民年金加入中であり、保険料の納付要件を満たしていませんでした。
したがってそもそも障害年金の請求ができない方です。
その後直腸がんになり人工肛門を造設しました。直腸がんの初診日も国民年金加入中でありましたがこちらは納付要件を満たしていました。
なお、膀胱がんと直腸がんとの間に因果関係はありませんでした。
直腸がんの初診日が厚生年金加入中であれば3級の障害厚生年金が支給されますが、国民年金の場合は障害等級が2級までしかないことから、障害基礎年金は支給されません。
そこで何か方法はないかということで相談に見えた方です。
尿路変更をした方が人工肛門を造設した場合の障害等級は「2級」になると国の規定で定められています。
上記の方はそれに該当しますので「2級」です。
しかしながら前発傷病の膀胱がんの初診日における納付要件を満たしていないことから障害年金の請求を諦めなければならないということになります。
法律は、単独の障害では障害等級に該当しない複数の障害を併合して初めて2級以上の障害に該当した場合に障害年金を支給するという仕組みを用意しています。
障害を併合して初めて2級以上の障害に該当することになったそのキッカケとなる傷病を「基準傷病」といいます。
今回の事案でいえば直腸がんがその基準傷病です。
また、納付要件は前発の膀胱がんでは問われずに、後発の基準障害である直腸がんについてのみ問われます。
障害基礎年金の請求書の「請求事由」欄に「初めて障害等級の1級または2級に該当したことによる請求」という項目がありそこに○印をつけます。請求傷病名は「膀胱がん」と「直腸がん」と別々に記入し、請求書と一緒に提出する「病歴・就労状況等申立書」には、請求傷病がそれぞれ別傷病ですので「膀胱がん」と「直腸がん」用にそれぞれ1通づつ記入して提出します。
後日障害基礎年金2級が認められました。

障害年金の請求は、他の老齢年金や遺族年金の請求と同様に誰でもができるものです。
しかし、現実にはなかなか難しいのが実情です。
以前にも書きましたが、老齢年金の「年齢」や遺族年金の「死亡」といった要件事実の確認とは異なり、障害年金は「状態・程度」の判断を必要とするからです。
障害年金の請求に際して分からない点を曖昧なままにしておくと結局請求者に跳ね返ります。
どうぞご相談ください。
お待ちしております。

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