コミュニケーションの大切さ

皆様こんにちは。障害年金サポート調布の深澤です。
今年もあと半月、あっという間に時間が経ちますね。私は、2016年12月のコラムで「あきらめない」をテーマに書きました。あれから6年、やはり障害年金の請求については「あきらめない」気持ち、そして丁寧な準備が大事だと思います。

今年は、ご自身やご家族が障害年金を請求して「不支給」になってしまってからのご相談を何件か受けました。不支給になってしまった後、その決定に不服がある場合は不服申立を行う制度があることは前回のコラムで紹介しているとおりです。今回は、初めて障害年金を請求するときに心がけること、大事だなと思っている各所とのコミュニケーションについて書きたいと思います。

障害年金の請求を準備するときには、家族や医療者との良好なコミュニケーションが大事だなと改めて思います。
まず、そもそも病気やその後遺症などを抱えていらっしゃるご本人が障害年金の受給を望んでいないのに家族や周りの人が請求の準備をすすめてしまったケースを紹介します。たとえ夫婦であっても自分の考えや気持ちは言葉に表さないと伝わらないことも多いですよね。相手に良かれと思って手続きをすすめたのに、ご本人の心が「障害年金」を請求する/受給するということについていけなかったとききました。社労士業務を行っていると障害年金は社会保険の給付なので、一定の要件を満たして請求して→支給決定されれば→受給する権利があると当然のように思ってしまいますが、ご本人にとっては時には受け入れるのに時間がかかる手続きなのだと理解することも大事なのだなと思うようになりました。
次に医療者(特に主治医)とのコミュニケーションエラーです。あるドクターの話ですが、主治医は自分の患者さんが将来に希望を持っている(職場復帰を希望している)ことを知っていながら、障害年金の診断書に「労務不能」と書くことには抵抗があるよとおっしゃいました。その先生の患者さんは「私の気持ちを理解してくれる良い先生」とさらに主治医に信頼を寄せたようですが、家族は「・・・とはいっても、家ではほぼベッドの上で過ごしていることから働くのは到底無理。」と主治医に「労務不能と書いてください。」と診断書の作成を強くお願いしたそうです。結局、家族がお願いしたようには書いてもらえなかったそうです。
障害年金の認定は、主治医が作成する「診断書」とご本人・家族がまとめる「病歴・就労状況等申立書等」の書面審査だけです。面談はないのですか?この状態を自宅に見に来てほしいのですが・・・などと聞かれることがあります。主治医の前ではきれいな服を着て「おかげさまで大丈夫です。」なんて笑顔で話していたら、主治医も「労務不能」とは思わないかもしれません。日常生活の様子から本来ならば障害年金の等級に該当する障害状態であっても・・・です。そこで、私は障害年金の請求についてご相談を受けた場合には、主治医に診断書作成を依頼する前に、ご自身で病歴・就労状況等申立書をまとめることをおすすめしています。日常生活においてどんな不便なこと・つらいこと・うまくいかないことがあるかなど時系列で整理されているものを主治医に見ていただくと、主治医も患者さんの普段の様子を知ることとなります。短い診察時間において効果的にご自身の様子を伝えることができるコミュニケーションツールになると思います。
良好なコミュニケーションによって自分の気持ちを伝えたり、相手と意思疎通ができたりします。患者さんが主治医と家族との間に挟まれて悩むことは一番避けたいコミュニケーションエラーです。
私たちは、医療の専門家ではありませんが、病歴・就労状況等申立書の書き方についてはアドバイスすることができます。一般的に、あれ?体の調子がよくないなと受診した日が初診日です。その日から病気の経過や入院・通院の状況をまとめて記載するのは難しいかもしれません。大事なコミュニケーションツールの書き方、まとめ方に迷ったときは私たち障害年金サポート調布(SSC)の相談会におこしください。お待ちしております。

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