令和5年度国民年金保険料額改定について

こんにちは。障害年金サポート調布の豊嶋真理です。
今年は開花が早くて桜も満開ですね。そして、いよいよ新年度が始まります。令和5年度の年金額が引き上げになることは1月のコラムで御紹介していますが、国民年金保険料は16,520円で令和4年度と比較すると70円引き下げになることを御存じでしょうか。「年金受給額は上がるのに国民年金保険料は下がるなんて不思議だなあ」と思う方もいらっしゃると思いますので、国民年金保険料額の仕組みを説明いたします。

平成31年度以降の国民年金保険料法定保険料額は17,000円と決められています。この法定保険料額に物価や賃金を考慮した保険料改定率を乗じて国民年金保険料が算出されます。
保険料改定率は「前年度保険料改定率×名目賃金変動率」により決定されますが、名目賃金変動率は次の値を使って算出されます。
① 2年前の物価変動率
② 3年前から5年前の実質賃金変動率(3年平均値)

令和5年度の名目賃金変動率に置き換えると次のとおりです。
① 令和3年度の物価変動率
② 平成30年度から令和2年度の3年平均値による実質賃金変動率
つまり、令和4年の物価及び賃金上昇の社会経済情勢が保険料改定率に反映されてないことが、令和5年度国民年金保険料引き下げの理由です。

受給額は生活に直結するので改定率の計算に前年の物価変動率が含まれていますが、保険料改定率は2年前以前の率を使って緩やかに反映される仕組みとなっています。国民年金保険料は毎年1月下旬に翌々年度の保険料が厚生労働省から発表されるため、技術的に前年の状況を反映できないというのが現実的な理由かもしれません。
既に厚生労働省から発表されている令和6年度の国民年金保険料は物価変動率等の影響を受けており、16,980円で令和5年度との比較でなんと460円の引き上げです。

昨今の社会経済情勢から、今後も国民年金保険料額は高水準で推移する可能性があります。口座振替や前納納付書などの割引制度を活用して、賢く国民年金保険料を納付しましょう。

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