障害年金の請求手続きでChatGPTを活用できるか?

皆さまこんにちは。障害年金サポート調布(SSC)の井上真理子です。今年の夏も猛暑が続いていますね。家族と夏祭りに出かけたのですが、かき氷がすぐに溶けてしまいました。
さて今回は今話題のチャットGPTについて私の考えをお伝えしたいと思います。(本コラム内の意見は私個人の見解で、障害年金サポート調布の見解ではありませんのでご承知おきください。)

◆チャットGPTって何?

いまチャットGPTをはじめとする生成AIが話題となっています。チャットGPTは人の話す言語を理解し生成するAIで、Web上の大量のデータを学習させ、それをもとにこちらの質問に対して最適な文章を生成し回答してくれます。学習したデータから最適と思われる言葉を予測し、それをつなげて文章にしているので、ときにはちょっとおかしい回答になることもあります。(以前、週刊少年ジャンプについて質問したらジャンプとサンデーの内容が混ざった回答が返ってきました)

◆チャットGPTにできることは?

チャットGPTは自然な会話だけでなく、さまざまなことができます。

・ブログなどの記事の作成
・高度な検索(〇〇について教えて、と聞くと概要を説明してくれます)
・プログラミング
・言語翻訳
・メールの作成
・アイデアの生成
…など

◆チャットGPTが苦手なことは?

チャットGPTは事前に学習したデータをもとに回答しているので、最新情報は回答できないことが多いです。また学習したデータに間違った情報が含まれていると、それをもとに生成した回答も間違ったものになってしまいます。(前述のジャンプとサンデーの混在の原因の1つかも?と思っています。)

◆チャットGPTは障害年金請求に活用できるか?

ではチャットGPTは障害年金請求に活用できるでしょうか?

答えは「イエスが30%くらい」ではないかなと思います。

障害年金の請求手続きでは、病歴就労状況等申立書という発症から現在までのご状況を時系列で記載する書類がありますが、この書類は膨大な量の文章を書かなければなりません。チャットGPTは文章の生成は得意なので、例えば受診歴や既往歴、その時々の状況などを入力したら文章案を作成してくれる、みたいな方法で活用できると思います。(現バージョンでは難しいですが将来的には可能になるのではないでしょうか。)

一方で、障害年金は請求者が「何を、どのように申し立てるか」が重要ですが、これを判断するには複数の要素を考慮しなければならず、物事を多角的に考え、判断できる「人」の力が必要です。

またチャットGPTは言葉を言葉で返すAIですので、言葉以外の情報(表情や空気感、しぐさなど)を読み取ることができません。期待する回答をしてもらうためには、聞きたいことを明確に言語化しなければなりません。うまく言葉にできないんだけど、ということがあってもチャットGPTはくみ取ってくれません。

その点、私たち「人」は、相手の表情や空気感、しぐさなどから言葉にできない情報をくみ取り、受け止め、共感し、共有することができます。これも「人」にしかない特別な力だと思います。

◆まとめ:人の力とチャットGPTの力をうまく活用しよう!

人の得意なこと、チャットGPTの得意なことを組み合わせて、

・社労士などの専門家に相談し「何を、どのように申し立てるのか」請求方針を決める
・チャットGPTに病歴就労状況等申立書の下書きを作ってもらい、請求方針に沿うように加筆修正する

という活用方法が考えられます。現バージョンではまだ難しいのですが、近い将来、請求書類の下書きを作ることはできるようになるでしょう。チャットGPTで障害年金手続きが少しでも身近なものになることを願っています。

私たち障害年金サポート調布は、月に1回調布市社会福祉協議会のご協力を得て無料の障害年金相談会を開催し、状況整理のお手伝い、最適なご請求方法や進め方のアドバイスなど、障害年金を必要とする方にお届けするお手伝いをしています。「何を、どのように申し立てるのか」ぜひご相談ください。

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