仕事のストレスが原因で精神疾患を発症したら・・・

皆さまこんにちは。障害年金サポート調布(SSC)の井上真理子です。イルミネーションが街を彩る季節となりました。私はケン●ッキーのクリスマスのCMソング「ク~リスマスが今年もやぁてくる~♪」を聴くと、もうすぐ年末だな、としみじみします。
さて、近年仕事のストレスが関係した精神障害について労災請求が増えています。そこで今回は、職場の嫌がらせで精神疾患を発症した場合についてお話したいと思います。

◆「労災」はどんな制度?

労災(労働者災害補償保険)は、業務上の負傷・疾病等に対して給付を行う制度です。仕事が原因でケガをしたり、病気になったり、障害を負ってしまったときは、労災保険から給付を受けることができます。保険料は全額雇用主が負担しているので加入している実感はありませんが、労働者として誰かに雇用されて働いている人は全員加入しています。

反対に、仕事が原因ではないケガや病気のときは、加入している健康保険から給付を受けることができます。仕事が原因のときは労災保険、仕事以外が原因のときは健康保険が適用されるので、両方から給付を受けることはできません。

◆仕事が原因の疾病と認められるのはどんなとき?

仕事中のケガは発生の原因や状況がわかりやすいのですが、疾病は判断がとても難しいです。私生活での不摂生がたたって偶然仕事中に倒れてしまったのか、それとも仕事の負荷が大きくて倒れてしまったのか、はたまた、持病と業務の負荷の両方が原因だったのか。
そこで労災保険では、業務上疾病の範囲や認定基準を定めて、この基準に沿って給付すべきかどうかを判断しています。

精神疾患については「心理的負荷による精神障害の認定基準」で定められています。
精神疾患は、外部からのストレス(仕事によるストレスや私生活でのストレス)とそのストレスへの個人の反応のしやすさとの関係で発病に至ると考えられています。そのため、仕事が主な原因かどうかは、①精神疾患の発病が仕事による強いストレスによるものと判断できること、②私生活でのストレスが強いと判断できないこと、③個人のストレスに対する反応のしやすさ(例えば治療中の精神障害がある、既往歴があるなど)が顕著でないか、の3つで判断されます。

労災保険は会社が労基署に対して給付の手続きを行いますので、もしかして労災かも・・・?と思っても会社には相談しにくいことも多いと思います。いきなり会社に相談するのはちょっと・・・というときは、私たち社会保険労務士や会社の住所地の労基署にご相談ください。

◆労災保険と障害年金は併給できる(ただし調整あり)

さて、労災保険と健康保険はどちらか一方からしか給付が受けられませんでしたが、労災保険と障害年金は併給できます。ただし、2つの制度から同時に給付を受けると保障が重複してしまうため調整が入ります。

同じ支給事由で労災保険と障害年金から給付が受けられる場合は、原則として障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)が優先的に支給され、労災保険による給付は減額されます。
また、二十歳前障害による障害基礎年金及び障害手当金(障害等級3級に満たない障害が残ったときに支給される一時金)については、労災保険による給付が優先され、障害年金は支給されません。

なお、労災保険には「特別支給金」という上乗せ給付があります。この特別支給金は障害年金との調整の規定がありませんので、障害年金と同時に受け取ることができます。

◆まとめ:判断も手続きも難しい・・・まずは相談してください

精神疾患が労災の基準に当てはまるかどうかの判断は難しく、また会社が、仕事の負荷がどの程度あったかなどの調査に協力してくれないこともあります。労基署でも相談を聞いてもらえますが、複数の制度にまたがる場合や、発症の原因で悩んでいる場合などは、社会保険労務士などの専門家を活用してください。

判断も手続きも難しいですが、必要としている人が必要な給付を受けられるよう、そして私たちもその一助となれるよう、これからも活動していきたいと思います。

私たち障害年金サポート調布は、月に1回調布市社会福祉協議会のご協力を得て無料の障害年金相談会を開催し、状況整理のお手伝い、最適なご請求方法や進め方のアドバイスなど、障害年金を必要とする方にお届けするお手伝いをしています。秘密厳守ですので、安心してお困りのことをお伝えください。

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