社会的治癒について

こんにちは。障害年金サポート調布の岡部健史です。
早いもので2015年ももうすぐ終わりを迎えます。本年も多くの皆様にご相談いただき、多くの皆様のサポートを行えたことを大変うれしく思います。来年も皆様のお役にたてるよう我々も研鑽してまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、2015年最後のコラムは、『社会的治癒』についてご説明いたします。
社会保険には、社会的治癒という考え方があり、医学的には治癒していない状態でも、社会生活が問題なく(傷病によって概ね5年から10年程度必要)送れている場合には治癒とみなすというもので、請求者の権利として申し立てることができます。

障害年金制度には、「傷病に罹患後、その傷病が治癒し再発した場合は、再発後の最初の受診日を初診日とする」という取り扱いがあります。したがいまして、ここで社会的治癒を申し立てて認められた場合は、初診日が後にずれるということになります。

社会的治癒が認められた場合のメリットとしては、以下になります。
① 初診日が後にずれるため、原則の初診日で保険料納付要件を満たしていなくても、再発後の最初の受診日で保険料納付要件を満たしていればよいことになります。
② 原則の初診日から1年半後(障害認定日)の時点で受診がなかった場合や、原則の初診日から1年半後が5年以上前でカルテが廃棄されている場合などで診断書が取得できず、障害認定日請求が行えない場合でも、社会的治癒が認められた後の初診日であれば障害認定日請求が可能となることがあります。

ただし、社会的治癒は必ず認められるというものではないため、認められるよう第三者の申立書やその他客観的に社会的治癒を証明できる資料などを作成して添付する必要があります。原則として投薬を必要としてないことが条件のひとつですが、維持的・経過観察的な治療や投薬などについては、社会的治癒の成立を妨げないものとされています。
また、社会的治癒を申し立てる期間について、一定程度継続して厚生年金に加入して就労している場合は、一般的に認められる可能性が高くなります。

以上が社会的治癒についてですが、難しい制度であるためご不明な点は是非専門家にご相談ください。
本年もこのホームページをご覧いただきありがとうございました。
来年も、障害年金サポート調布は皆様のより良い支援ができるよう努めてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

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