特別支給の老齢厚生年金の支給開始に係る障害特例の取扱いの改善

みなさんこんにちは。
障害年金サポート調布の倉本貴行です。

今回の話題は「特別支給の老齢厚生年金の支給開始に係る障害特例の取扱いの改善」についてであります。今年の1月20日にこのコラムで「障害年金の額改定請求に係る待機期間の一部緩和」についてお話ししましたが、今回ご紹介する仕組みも障害年金に該当している人にとっては朗報といえると思います。

現在は、特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢(現在は60歳)に達している人で、障害等級の1級~3級に該当している人については、被保険者資格を喪失していること、および、本人からの請求を要件として、請求日の翌月から特別支給の老齢厚生年金の定額部分が支給される仕組みとなっています。
それが今回の法律改正(平成24年8月22日公布「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律」平成24年法律第62号)により、定額部分の支給開始時期を請求日の翌月からとはせずに、障害状態にあると判断されるとき(特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢以前から障害状態にある場合は、支給開始年齢以降)に遡って支給が行われることとなります(被保険者資格の喪失が要件であることは現在と変わりません)。

障害を理由に会社退職(厚生年金の被保険者資格の喪失)を余儀なくされ、後日障害状態に該当していたことが分かることはままあることです。今のところは、定額部分は請求した翌月からしか支給されませんが、今後は障害状態に該当したときに遡って支給されることとなります。もっとも、この障害特例の改善が適用されるのは、男性は昭和16年4月2日~昭和36年4月1日までに生まれた人、女性は昭和21年4月2日~昭和41年4月1日までに生まれた人に限られますが、それでも障害年金に該当している人にとっては朗報といえると思います。
なお、この法律が実際に施行されるのは、昨年8月22日の公布日から2年を超えない範囲内で政令で定める日からとなっていますので今暫く待つ必要があります。

コラム

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