初診日認定の処分変更
みなさまこんにちは。
障害年金サポート調布の倉本貴行です。
今回ご紹介する案件は、最初の請求では初診日が認められなかったのですが、その後の不服申立てによって初診日が認められ障害年金に結びついた案件です。
傷病名は筋萎縮性側索硬化症(以下ALS)といって、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだん痩せて力が無くなっていく病気です。
これは筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かし、かつ、運動をつかさどる神経(運動ニューロン)だけが障害を受ける病気です。
最初のA病院の診断は「ばね指」でした。その後B病院、C病院、…G病院とかかり、診断名もギヨン管症候群、肘部管症候群、頚椎椎間板症等となり、F病院で漸くALSと診断されて手術を受け、現在はG病院に入院中です。
最初の請求に際して、診断書を書いてもらった現在入院中のG病院の医師から「本件の初診日はA病院を受診した日である。」旨の意見書を書いてもらって請求したのですが、保険者はALSの確定診断が出たF病院が初診病院としての可能性大として、当方主張の初診日を認めずに却下(内容の審査にまで至らずいわば門前払い)処分としました。
その後A~E病院のカルテの開示請求を行い、内容をよく見てみたらB病院からC病院に対して神経伝導検査や針筋電図検査を依頼しており、その結果報告書に「MND(ALSと同義語)の初期症状?」の記載があったことから、本案件の初診日をA病院からB病院へ変更し、かつ、本件の手術をしたF病院の担当医の意見書(A病院受診時は既にALSに罹患していたと判断する)を添付して審査請求をしたところ、保険者から、当初の却下処分を取消して改めて1級の障害年金を支給する処分を行った旨の連絡がきました。所謂処分変更です。
このように最初の請求では認められなくても、不服申立てによって認められる案件があります。
障害年金も、老齢年金も、遺族年金も本来は請求者本人が請求することを前提に設計されているはずですが、本人が請求しても認められないことがあるのも残念ながら事実です。
特に障害年金は、保険者の「判断・認定」という要素が大きく影響します。
少しでも不安な部分があれば、年金事務所や市役所、我々専門家にご相談されることをお勧めいたします。
2019年5月8日