年金制度改正法(令和2年法律第40号)の内容について(3)

皆さんお元気ですか、障害年金サポート調布の福間です。

今回は、年金制度改正法(令和2年法律第40号)の内容の3回目です。受給開始時期の選択肢の拡大についてです。

現在、公的年金の受給開始時期は、原則として個人が60歳から70歳の間で自由に選ぶことができることになっています。
65歳より早く受給開始した場合(繰上げ受給):年金額は減額(1月当り▲0.5%)
65歳より後に受給開始した場合(繰下げ受給):年金額は増額(1月当り+0.7%)
この制度を高齢期の就労の拡大等を踏まえ、高齢者が自身の就労状況等に合わせて年金受給の方法を選択できるよう、繰下げ制度についてより柔軟で使いやすいものとするとの趣旨で改定されるものです。

具体的な見直し内容は次の通りです。

1.繰下げ受給の上限年齢の引上げ(令和4年4月施行)
〇現行70歳の繰下げ受給の上限年齢を75歳に引上げ
(令和4年4月1日時点で70歳未満の者について適用)
受給開始時期が60歳から75歳の間で選択が可能となって選択の幅が広がります。
 〇繰上げ減額率は1月当り▲0.4%(最大▲24%)となり減額となります。
 〇上限年齢(現行70歳)以降に請求する場合の上限年齢での繰下げ制度についても、連動して75歳に見直しとする。
(75歳以降に繰下げ申出を行った場合、75歳に繰下げ申出があったものとして年金を支給することとす)

2.70歳以降に請求する場合の5年前時点での繰下げ制度の新設(令和5年4月施行)
〇70歳以降80歳未満の間に請求し、かつ請求時点における繰下げ受給を選択しない場合、年金額の算定にあたっては5年前に繰下げ申出があったものとして年金を支給する。
(繰下げ上限年齢を70歳から75歳に引き上げることに伴い、5年以上前に時効消滅した給付分に対応する繰下げ増額)

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