がん患者の就労支援について
こんにちは、障害年金サポート調布の深澤理香です。東京では、街中でも住宅地でも濃いピンク色の大寒桜が満開です。春の訪れを感じる今日この頃です。
今回のテーマは、「がん患者の就労支援について」です。
がん患者の就労支援の目的
~働きながらがん治療をしているみなさんへ~
以前、メンバーの土屋先生が「がんでも障害年金」というテーマでコラムを執筆しました。
がんは今や日本人の2人に1人がかかるといわれている病気です。一昔前は不治の病とも言われていましたが、医療技術の進歩により、5年後の生存率は格段に上がり、もはや治療すれば治る可能性のある病気となっています。
障害というと手足が不自由になったときをイメージしがちですが、実は肢体不自由などの障害だけでなく、がんや糖尿病、高血圧、呼吸器系疾患などの内臓疾患や精神疾患も「障害年金」の対象となっています。(2012年12月26日付)
このコラムにもある通り、がんは必ずしも不治の病ではなく、多くは共生または初期の場合は完治も期待できる病気です。私たち社会保険労務士は、「医療の専門家」ではありませんが、多くのがん患者の方たちとかかわらせていただく中で、必要な(特に不安に思っている)困りごとに対して、適切な情報(障害年金、傷病手当金、高額療養費など)をお伝えし、より安心して日々の生活がおくれますように、と活動を行っています。
最近、国や東京都などもがん患者の治療と職業生活の両立を支援する事業をすすめています。具体的には、がん診療拠点病院などに労働関係の法律に詳しい私たちのような社会保険労務士や産業カウンセラーと契約して、定期的に院内で相談会を開くことに対して補助金を支給するというものです。
「働いていると年金がもらえないんですよね?」、「がんでも障害年金ってもらえるんですか?」という質問をよく受けます。障害年金は必ずしも、働いていたら・・・/がんであったら・・・受給できないというわけではありません。
私たち社会保険労務士は、医療従事者の方たちと協働し、社会保障制度(障害年金、傷病手当金、高額療養費など)のほかにも、就労(就業規則、雇用保険、労働基準法など)に関する適切かつ正確な情報を提供いたします。働きながら治療をされているがん患者の方たちにとっては、この就労支援の方が必要なケースが多かったりします。
SSCの障害年金相談会においても、障害年金だけでなく、その周辺知識についてもお伝えすることができますので、がん患者のみなさん、ぜひご活用ください。
2015年3月18日