あなたがもらえるのは障害基礎年金?それとも障害厚生年金?

こんにちは、『障害年金サポート調布』の岡部健史です。

障害年金というと「障害基礎年金」と「障害厚生年金」を指すことが多いのですが、今回は障害基礎年金と障害厚生年金の違いについて考えてみましょう。なお、保険料納付要件と障害認定日要件を満たしているという前提でお話をさせていただきます(保険料納付要件と障害認定日要件につきましては20121212日のコラム「障害年金がもらえる要件」をご参照ください)。

まず、障害基礎年金・障害厚生年金というといかにも難しい感じがしますが、実はこの名前は制度をよく表わしています。以下、順を追って説明させていただきます。

国民年金からもらえる障害の年金を「障害基礎年金」(障害国民年金とは言いません)厚生年金保険からもらえる障害の年金を「障害厚生年金」といいます。原則として障害基礎年金をもらい、障害厚生年金はその上乗せとしてもらうことになります。

ご存知の方も多いと思いますが、年金は建物に例えられることが多く1階部分の基礎をなすのが障害基礎年金、2階部分の上乗せが障害厚生年金とイメージすると理解しやすいかもしれません。したがって一部の例外を除いて、1)障害基礎年金のみをもらえる人と、2障害基礎年金+障害厚生年金をもらえる人の2種類に分けることができます。

では次に、(1)をもらえる人と(2)をもらえる人の線引きはどこで判断するのか考えてみましょう。

「お勤めしたことがある方は厚生年金に加入していた期間があるので障害基礎年金+障害厚生年金、一度も勤めたことがなく厚生年金に加入したことがない人は障害基礎年金のみ」ではありません。

種明かしをしますと、(1)をもらえる人と(2)をもらえる人の違いは初診日に国民年金に加入していたか、厚生年金に加入していたかで判断します(初診日については20121125日のコラム「初診日」をご参照ください)。すなわち初診日に加入していたのが国民年金の方は障害基礎年金のみをもらい、初診日に厚生年金に加入していた方は一部の例外を除いて障害基礎年金+障害厚生年金をもらうことになります。したがって、昔厚生年金に加入していた期間があっても退職後に初診日がある場合、障害厚生年金はもらえませんので注意が必要です。在職中に発症して退職してから病院にかかるケースがまれにあるのですが、これはいけません。必ず在職中に病院にかかっておいてください。なぜなら、障害厚生年金ももらえるかどうかによって生活保障の手厚さがまったく異なるためです。

それでは最後に、障害基礎年金と障害厚生年金の金額その他の違いについて見ておきましょう。

まず、障害年金は日常生活の状況や労働能力によって重い順に1級~3級の等級が定められており、この障害等級に該当しないと年金はもらえません。

具体的には、障害基礎年金は2級以上に認定されればもらえ、障害厚生年金は3級以上に認定されればもらうことができます。すなわち、障害厚生年金の方が認定される範囲が広く、障害基礎年金と比べて比較的障害の状態が軽くてももらうことができるのです。厚生年金加入中に初診日のある方で3級に認定された方は、障害厚生年金のみもらうことになります。

次に金額ですが、障害基礎年金は金額が一定で誰がもらっても同じ金額になります。具体的には1級が983,100円で2級が786,500円です(平成24年度価額)。さらに高校生以下(18歳を迎えた最初の年度末まで)の子どもがいれば子の加算がつきます(障害等級1級または2級に該当する子の場合はその子が20歳になるまで)。

それに対して障害厚生年金は、お勤めしていた時のお給料や賞与、期間によってひとりひとり年金額は異なります。また、2級以上で65歳未満の配偶者がいる場合は配偶者の加算がつきます。

以上のように、厚生年金加入中に初診日がある場合の方が基本的に保障は手厚くなりますね。

さて、ここまで障害基礎年金と障害厚生年金の違いについて見てきましたがいかがでしょうか?

あなたが要件を満たした場合、もらえる障害年金は何か答えは出ましたでしょうか?

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