歯科医院と障害年金

こんにちは。『障害年金サポート調布』の服部純奈です。

寒い日、暖かい日と気温差の激しい日々が続いています。「春の嵐」というキーワードも天気予報でよく耳にする季節になってきました。

さて、本日は障害年金と歯科医院についてのお話です。

障害年金の請求のお手伝いをする中で関わりが多いのは、やはり医師です。ですが、ケースによって歯科医師もご協力をお願いすることがあります。
まず障害年金の請求において重要な要素の一つである初診日ですが、「障害の原因となった傷病で初めて医師または歯科医師の診療を受けた日」のことです。
請求するにあたり、初診日を証明するための書類の作成をお願いすることになりますが、初めて診療を受けたのが歯科医院であった場合は歯科医師に依頼することになります。
例えば舌癌を初めて指摘されたのが歯科医師であったというケースなどです。

では、歯の治療の延長で障害年金の請求…ということもあるのでしょうか?

①歯の治療の結果、摂取した食物を歯で咬み、粉砕したり、食物を飲み下すことに支障を生じるようになった
②歯の治療の結果、発声発音に支障をきたすようになった

場合はいかがでしょうか。

認定基準を参照しますと、

①歯の治療の結果、摂取した食物を歯で咬み、粉砕したり、食物を飲み下すことに支障を生じるようになった

については以前、「そしゃく・嚥下機能の障害」のコラムでご紹介しておりますが、

2級:    そしゃくの機能を欠くもの
3級:    そしゃくの機能に相当程度の障害を残すもの
障害手当金:  そしゃくの機能に障害を残すもの

と、認定基準に定められており、かつ「歯のみの障害による場合は、補綴等の治療を行った結果により認定を行う。」とされています。
歯の治療(補綴等)が終了した段階で上記のような症状に該当する場合とのことですので、考えらるのは重くても「そしゃくの機能に障害を残すもの」程度でしょうか。
(「そしゃくの機能に障害を残すもの」 =ある程度の常食は摂取できるが、そしゃく・嚥下が十分できないため、食事が制限される程度のもので症状が固定している場合)
障害手当金に該当するか否かというところかと思います。

 

②歯の治療の結果、発声発音に支障をきたすようになった

については、「そしゃく・嚥下機能の障害」でご紹介しておりますが、

2級:    音声又は言語機能に著しい障害を有するもの
3級:    言語の機能に相当程度の障害を残すもの
障害手当金:  言語の機能に障害を残すもの

と、認定基準に定められており、やはり「歯のみの障害による場合は、補綴等の治療を行った結果により認定を行う。」とされています。
歯の治療(補綴等)が終了した段階で上記のような症状に該当する場合とのことですので、考えらるのは重くても「言語の機能に障害を残すもの」程度でしょうか。
(「言語の機能に障害を残すもの」=話すことや聞いて理解することのどちらか又は両方に多くの制限があるが、日常会話が、互いに内容を確認したり、たずねたり、見当をつけることなどで部分的に成り立つものをいう。)
やはり、重くても障害手当金に該当するか否かというところかと思います。

 

歯の治療の結果で障害年金…というのは、難しそうですね。

 

以上、歯科医院をキーワードに取り上げてみました。

コラム

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