障害の併合について

こんにちは。障害年金サポート調布の山本です。
今回は、少し前に受けたご相談の事例からご紹介します。
精神の障害により2級の障害基礎年金と障害厚生年金を受けとっていた50歳台の方が、お仕事をやめて国民年金に加入していた期間に脳梗塞になってしまったのですが、肢体に障害が残ってしまった場合、新たな障害年金はもらえるのか、また受給中の障害年金はどうなるのか、といった内容でした。

認定基準によると、障害基礎年金受給権者および1級もしくは2級の障害厚生年金受給権者に、さらに障害基礎年金または障害厚生年金(障害等級が1級もしくは2級の場合に限る)を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害給付が支給されるとあります。
つまり、前からの障害年金と後の障害年金をダブルでもらえることはなく、前後の障害の程度を併合した新たな障害の程度の障害年金に替わる、ということになっています。

もしこの方が、肢体の障害で請求を行った結果2級に該当すると、前発の精神2級と後発の肢体2級を併合した障害の程度は、併合判定参考表及び併合(加重)認定表から1級となります。
後発の肢体の障害の元となった脳梗塞の初診日は国民年金の加入期間ですが、1級としてもらえるのは障害基礎年金だけなのかというと、そうではなく、前後の障害を併合した後、後発の障害基礎年金は決定されず、前発の障害基礎年金と障害厚生年金が、1級に額改定される形になります。
後発の障害が2級以上に該当しなければこの併合による額改定はされないため、肢体のリハビリをみてもらっている主治医とよく相談して進めていただくとよいかと思います。

この併合については、他にもいくつかパターンがあります。
また、障害年金を最初に請求する時点で複数の障害がある場合も、同じように複数の障害を併合した障害の程度が障害等級に該当すれば、併合認定により受給につながることがあります。
なお、障害が複数あっても、内科的な疾患については、併合による認定を行わず総合的に認定されることになっています。

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