障害厚生年金の受給権者が亡くなられた場合の方に遺族厚生年金
こんにちは。障害年金サポート調布の岡部健史です。
夏本番。毎日暑い日が続きますね。熱中症などにならないようお体ご自愛ください。
先日(2015年7月22日)のコラムを発展させ、今回は、『障害厚生年金の受給権者が亡くなられた場合に、残されたご遺族の方に遺族厚生年金が支給されるか』について考えてみたいと思います。
遺族厚生年金の受給要件も重要なため、7月22日投稿のコラムに掲載していますので、あわせてこちらをご覧ください。
さて、先日のコラムを引用し、遺族厚生年金を受給するには、(1)死亡した人の要件と(2)残された家族(遺族)の要件の2つがあり、どちらも満たさなければならないことが説明されています。
今回は、(1)死亡した人の要件の中の『障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき』に着目して考えてみたいと思います。
『障害等級の1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が、死亡したとき』と要件にあることから、1級または2級の障害厚生年金の受給権者が亡くなられた場合は、(1)の要件を満たすことになります。すなわち、あとは遺族が(2)の要件を満たせば、遺族厚生年金を受給できることになります。
しかし、障害厚生年金には3級があるため、ここでひとつの疑問がわきます。障害厚生年金3級の受給権者がなくなった場合はどうなのでしょうか?要件は満たすことはできないのでしょうか?
答えは、「障害厚生年金3級の受給権者が亡くなられた場合も、(1)の要件を満たす」ということになります。
障害厚生年金3級の受給権者の場合、障害が悪化して亡くなられたのであれば、亡くなられた時点では1級または2級になっていたと考えられるため、そのように見なすことになります。ただし、重要な注意点があります。
それは、3級の障害厚生年金を受給するもととなった傷病が原因で亡くなられたのでなければ、この要件を満たすことにはならないということです。したがって、障害厚生年金を受給するもととなった傷病と全く関係がない傷病で亡くなられた場合は、当然に1級または2級になっていたと見なすことはできませんので、(1)の要件を満たしているとは言えないのです。
この場合、遺族厚生年金が受給できるかどうかは、(1)について該当する要件が別にあるかを調べる必要がありますので、判断が大変になります。
このように、各種要件などを判断する際にも注意点などが多くありますので、ご不明な点などは、是非専門家にご相談ください。
2015年8月5日